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“筋肉博士”石井直方のやさしい筋肉学

運動のパフォーマンスを左右する4要素

第2回 「筋肉を強くすればスポーツで勝てる」は勘違い!

 コーチング・クリニック(ベースボール・マガジン社)

 人間に当てはめると、燃料供給系は、栄養素を分解してエネルギーを作る代謝系や、酸素を取り込み全身に巡らせるための呼吸・循環系ということになります。駆動力伝達系は、骨や関節、腱など。「制御系」は中枢神経です。それに加えて、筋肉という動力源。その4つがそろって、初めて良い運動ができるのです(図)。

図: 自動車と人体の対応図
図: 自動車と人体の対応図
人体の体力要素は自動車と同様に各器官に分業化されています(出典:谷本直哉著、石井直方監修『使える筋肉・使えない筋肉(からだ読本シリーズ)』(山海堂)を基に作図)。

 これら4つの要素は、すべてがハイレベルに維持されていればベストですが、それはなかなか難しいものです。ただ、4つの要素があることを理解した上で、それぞれにどんな問題があり、どこをどう強化すれば全体が良くなるのか、という意識をもつことは非常に大切でしょう。

筋力がアップしたら、次はその筋力を使うためのトレーニングを

 自動車レースに勝つための車を作ることを考えても、まずはエンジンを強くしなければ十分な出力が発揮できないので、エンジニアがより性能のいいエンジンを作ります。エンジンが生み出す力はエンジンの大きさに比例するので、サイズを増していくことが基本となります。

 しかし、エンジンが強くなっただけで燃料系が改善されていないと、すぐにガス欠になってしまう危険性があります。またギアが弱いと、パワーのあるエンジンを積んだとたん壊れてしまうかもしれないので、トランスミッションなども同時に改良しなければいけない。そうして最終的に車全体の改良がすんで素晴らしい車ができ上がっても、ドライバーのテクニックが最新鋭マシンのレベルに追いついていないと、カーブを曲がれずに吹っ飛んでしまうということも起こりうるので、車の性能とともにドライバーもレベルアップしなければいけません。

 このように各要素の問題を1つ1つ確実に克服し、全体をまんべんなく高めていくことにより、最終的にレースでも勝てるようになるわけです。第1の戦略としてエンジンのパフォーマンスを高めることは重要ですが、それだけで即レースに勝てるわけではありません。車の部品は今までと同じで、エンジンだけを積み替えることで速くなるという発想は大きな間違いです。

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