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“筋肉博士”石井直方のやさしい筋肉学

赤い筋肉と白い筋肉は何が違う?

第25回 赤みを帯びているのは遅筋線維、白い筋肉は速筋線維

 コーチング・クリニック(ベースボール・マガジン社)

筋線維タイプを調べる方法

 余談になりますが、自分自身の筋線維タイプがどうなっているのかを知りたい人は多いと思います。ヒトの筋線維組成を調べるには、筋線維を採取(バイオプシー)する方法が基本ですが、これは倫理的な問題で日本では実施が難しいのが現状です。ただ、バイオプシー以外にも方法がないわけではありません。

 私の研究室では、筋肉を電気刺激したときの反応の違いから、タイプを推測するという方法で研究を行っています。何%という数字を明確に導き出すのはまだ難しいのですが、全体として速筋タイプなのか遅筋タイプなのかを判断することは可能です。

 もう1つ、筑波大学の研究室ではMRIによってタイプを調べるという方法が行われています。遅筋線維は脂肪をエネルギー源として使っている割合が大きいため、速筋線維より細胞内の脂肪の含有が多い。それをMRIで映し出そうという試みです。

 今のところ、バイオプシー以外の方法はこの2種類のみ。ですが、筋線維タイプを調べたいというニーズはスポーツ界などで高まっていると思われるので、今後はまた違った方法が考え出されるかもしれません。

ヘモグロビンやミオグロビンは鉄分を含んでいる。
遅筋線維の赤い色というのは実は鉄の色。


(構成:本島燈家)

石井直方(いしい なおかた)さん
東京大学教授
石井直方さん 1955年、東京都出身。東京大学理学部卒業。同大学大学院博士課程修了。東京大学教授(運動生理学、トレーニング科学)。理学博士。力学的環境に対する骨格筋の適応のメカニズム、及びその応用としてのレジスタンストレーニングの方法論、健康や老化防止などについて研究している。日本随一の筋肉博士としてテレビ番組や雑誌でも活躍。著書は『筋肉まるわかり大事典』『トレーニング・メソッド』(ともに小社刊)、『一生太らない体のつくり方』(エクスナレッジ)など多数。
“筋肉博士”石井直方先生の連載が1冊になって好評発売中!
『石井直方の筋肉の科学』
B5判、140ページ、1500円+税 発行/ベースボール・マガジン社

 日経Goodayのサイトでご紹介している「“筋肉博士”石井直方のやさしい筋肉学」の連載が本になりました。

 筋肉の基本的な仕組みから、理想的なトレーニング方法まで、専門的に解説。

 全国の書店、またはベースボール・マガジン社サイトでお買いお求めください。

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この記事は、ベースボール・マガジン社「コーチング・クリニック」からの転載です。

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