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“筋肉博士”石井直方のやさしい筋肉学

筋トレには、どのくらいの負荷をかければいいのか

第22回 筋肉を鍛えるには最大筋力の5~6割の負荷が必要

 コーチング・クリニック(ベースボール・マガジン社)

“筋肉博士”石井直方先生(東京大学教授)が、筋肉のメカニズムや機能を毎回わかりやすく解説していきます。今回は、筋肉が働く“順番”について見ていきます。例えば、同じ作業を続けているとき、同じ筋肉がずっと使われるのでしょうか。それとも途中で別な筋肉に交代するのでしょうか。実は、使っている筋肉は途中で交代していきます。この仕組みは、運動やトレーニングをする上でとても重要です。筋肉を鍛えるには、どのくらいの負荷をかければいいかもわかってきます。

運動単位の活動交代

 最大筋力を発揮しているときも、すべての運動単位が使われているわけではないということを、前回説明しました。では、ある筋肉が力を発揮する際、常に同じ順番で、常に同じ運動単位が使われるようになっているのでしょうか。それが今回のテーマです。

 例えば指を動かす動作を延々と続ける場合、最初から最後まで決まった運動単位が使われているのか、それとも最初は一部の運動単位が使われ、疲れてきたら途中で交代するのか。この問題は、実はまだはっきりとはわかっていません。我々の研究室でもいろいろと研究はしているのですが、まだまだ解明されていない点が多々あります。

マラソンは常に同じように走っているように見えて、使う筋肉は時間帯によって変っているという(©rubengl-123rf)

 現時点でわかっていることは、きわめて低いレベルの筋力発揮(最大筋力の10%程度)で運動を続けていくと、使っている運動単位が途中で交代するらしいということ。ある瞬間、あたかもバトンタッチをするかのように、パッと運動単位が切り替わる。これを「活動交代」といいますが、どのような理由でそうなっているのかはわかりません。筋疲労を防ぐために最初からそういうプログラムがなされているのか、あるいは局所的な疲労が起こると、それを感覚神経がキャッチして別の運動単位にタッチするような調整を行っているのか。その解明はこれからの課題といえるでしょう。いずれにしても、これは弱い筋力発揮における話です。

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