日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様
日経Gooday TOP  > スポーツ・エクササイズ  > “筋肉博士”石井直方のやさしい筋肉学  > 「火事場の馬鹿力」は自らの意志で出せるのか?  > 2ページ目
印刷

“筋肉博士”石井直方のやさしい筋肉学

「火事場の馬鹿力」は自らの意志で出せるのか?

第21回 脳が筋肉の活動にブレーキをかけていた

 コーチング・クリニック(ベースボール・マガジン社)

大きな声を上げると、筋力が上がる?

 スポーツの現場では、興奮剤を使うわけにはいきません。試合前に催眠術をかけるという話もあまり聞いたことがありません。もしかしたら、催眠術的なものを試している選手はいるかもしれませんが、現実的には難しいでしょう。筋力を高めることはできたとしても、催眠効果によって練習してきた動きができなくなってしまったり、集中力が切れてしまったりするかもしれません。

 では、運動単位をたくさん動員するために実際に使える手法はないのでしょうか。

 現在までに証明されているものとしては、「シャウト効果」があります。大きな声を上げることで中枢の働きを変えてしまおうというもので、現場では昔から行われていたやり方でもあるため、これによって筋力が上がることは経験的に予測されていた面もあるでしょう。実験でも、確かに筋力が上がるというデータが出ています。自分を鼓舞する、気合を入れる、といった目的で大声を出している選手も多いと思いますが、これは運動単位をたくさん使う手段としても有効だったわけです。

 人は非日常的な出来事に直面すると、無意識に大きな声を発することがあります。そして、普段は出せないような力が出る。これが火事場の馬鹿力と呼ばれるわけですが、非日常的な出来事の刺激によって中枢の抑制が外れるという現象は、スポーツ現場だけでなく日常生活でも起こっているのです。

掛け声とともに筋力を発揮すると、掛け声を出さない場合より大きな筋力が発現する(猪飼ら、1961より改変)
[画像のクリックで拡大表示]

 催眠術、興奮剤、シャウト効果、火事場の馬鹿力……いずれの場合も問題は脳。脳の中で、より運動単位を動員させるような指令を出す仕組みを作れば、発揮される筋力はアップするということになります。

RELATED ARTICLES関連する記事

スポーツ・エクササイズカテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • 強い足腰を維持するための「骨」の強化法

    健康長寿の大敵となる「骨の脆弱化」を予防するには、若いうちから「骨を強くする生活習慣」を取り入れていくことが大切だ。このテーマ別特集では、骨が弱くなるメカニズムや危険因子、骨を強く保つための生活習慣のポイントなどについて解説していく。

  • もの忘れと認知症の関係は? 認知症リスクを下げる生活のポイント

    年を取っても認知症にはならず、脳も元気なまま一生を終えたいと誰もが思うもの。しかし、「名前が出てこない」「自分が何をしようとしたのか忘れる」といった“もの忘れ”は、中高年になると誰もが経験する。⾃分は周りと比べて、もの忘れがひどいのでは? ひょっとして認知症が始まったのか? と不安になる人も多い。このテーマ別特集では、もの忘れの原因や、将来の認知症にどうつながるのか、認知症を予防するにはどうすればいいのかについて、一挙にまとめて紹介する。

  • 痛風だけじゃない!「高すぎる尿酸値」のリスク

    尿酸値と関係する病気といえば「痛風」を思い浮かべる人が多いだろう。だが、近年の研究から、尿酸値の高い状態が続くことは、痛風だけでなく、様々な疾患の原因となることが明らかになってきた。尿酸値が高くても何の自覚症状もないため放置している人が多いが、放置は厳禁だ。本記事では、最新研究から見えてきた「高尿酸血症を放置するリスク」と、すぐに実践したい尿酸対策をまとめる。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

日経Gooday新型コロナ特設

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2021 Nikkei Inc. All rights reserved.