でも、そんな私の状況を「仕事のスケジュール」は待ってはくれません。実は、イビザへ行く前、ほんのちょっとですがハワイへも行ったのですが、帰国した翌々日には朗読劇の本番が待っていました。秋に主演する現代劇『GS近松商店』のモチーフになった近松門左衛門の『曽根崎心中』を、中川晃教さんと二人で三味線演奏をバックに朗読で披露するという舞台です。

実はこの朗読劇、私のハワイ滞在中に急きょ入ったスケジュール。ハワイから帰国した翌日には、朝から晩まで必死になって「ありんす」言葉のイントネーションで台本を読み込みました。そして本番当日、初めて舞台で、共演者の中川さんや伴奏の三味線奏者の方と通しの確認。ここで、急きょ、ラストに歌を歌うことも決まって、もう大変。
でも、そこは私もプロです。しっかりと務めさせていただきました。我ながら、なんて瞬発力がいいんだろうと感心…などと思っていたら、その夜、体重計に乗ると、なんと体重が1日で3キロも減っていました。ものすごい緊張感とプレッシャーの中で、相当な体力、そして脳を使ったのだということを再認識しました。いやはや、舞台ってホント、ダイエットになります(笑)。

そして今は、9月27日からスタートする舞台『GS近松商店』の稽古の真っただ中です。昨年もミュージカル『オーシャンズ11』で舞台のお仕事をやらせていただきましたが、今回は歌や踊りのないストレートなお芝居。舞台でストレートなお芝居をやるのはとても久しぶりですが、今回、演出を担当される劇作家の鄭義信(チョン・ウィシン)さんにお会いして、共演者の皆さんと一緒にどんな新しい舞台を創り上げていけるかがとても楽しみになり、出演させていただくことにしました。
稽古は、これまた新しい経験の連続です。デレビドラマと違って、稽古期間中ずっと、出演者とスタッフで、一つひとつのシーンを練って練って、表現方法を決めていくという作業。稽古自体が毎日、本番の連続のような状態ですから、かなり精神的にもハードです。しかも、今回はセリフが全編関西弁。果たしてアドリブにもとっさに関西弁で対応できるかしら…。
それに加えて、今回、主演ということで、私はいわゆる「座長」。テレビドラマで主演するとき以上のプレッシャーもヒシヒシ感じています。
そんなこんなで、ミヅキは頑張っておりますよ~。この仕事を経験することで、またひとつ新しい自分に出会える期待でいっぱいです。きっと、今までにない観月ありさをご覧いただけるかと思います。