日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様
日経Gooday TOP  > 医療・予防  > 皮膚科専門医 山本綾子の「解決!オトナの皮膚病・肌トラブル」  > 冬のカサカサ肌・かゆみ肌は悪い姿勢が原因だった!?  > 2ページ目
印刷

皮膚科専門医 山本綾子の「解決!オトナの皮膚病・肌トラブル」

冬のカサカサ肌・かゆみ肌は悪い姿勢が原因だった!?

【アトピー発症機序理論1】

 山本綾子

何度もヘルペスになる人、カンジダ症になる人が疑うべきこと

 体の熱を作っているものは何か。冷たいものばかりを摂取すれば冷えるのは当然ですが、筋肉量が足りない、あるいは筋肉を動かさなければ熱を作ることはできません。ときどき運動していても、普段の姿勢や歩き方が悪ければ、深い部分の筋肉が使われない状態になります。

 腹筋が6つに割れていても冷え症になるのは、いわゆるインナーマッスルが鍛えられていないから。腹筋は何層にもなっていて、表面に腹直筋、その内側に腹斜筋、さらに内側に腹横筋というコルセットのように胴体を包み込む筋肉が続きます。そして腹横筋の真下に腸がある。冷えやアトピー性皮膚炎で悩まれる人は、この腹横筋が弱いケースが目立ちます。

 腹直筋は鍛えやすいものの、腹横筋はいわゆるトレーニングでは鍛えにくい。これを鍛える方法が、ヨガやピラティス、呼吸法になります。

 加齢により臓器の機能が落ちるのは筋量が落ちることに関係があります。筋肉を温めることで血流を良くし、臓器を活性化すべきところ、筋肉がなければそれができません。まして、姿勢が悪くなってお腹を曲げた姿勢になれば、物理的に臓器を潰すことになりますから、機能が悪くなって当然です。

 何度もヘルペスになる人や、風邪や生理のたびにカンジダ症になるような人は、要注意です。そしてもちろん、乾燥肌だという自覚がある人、あるいは肌がカサカサしているな、かゆみが強いなと感じた人は、その時点で「姿勢がおかしい」と一度疑ってみていただきたいと思っています。

PC、スマートフォンを使っている人は前腕のかゆみや「Cの字」座りに要注意

 皆さんは、肘から手首までの前腕部分に、かゆみを覚えることはありませんか? あるいは、この部分が凝っている(指圧すると硬い)という覚えはありませんか? 私が研修医だった今から十年以上前は前腕にアトピー性皮膚炎の症状が出る人は現在ほどいませんでした。ところがこの数年、非常に増えています。これはPCなどのデバイスの影響と考えられます。

 電車に座っている人の姿勢を見てみてください。みなさん、お腹を折り曲げて猫背になって、Cの字になるように座っていませんか? 腹筋のない人は、そうした座り方になります(腹筋のある人は、悪い姿勢を続けると、背中に痛みを感じるため、悪い姿勢が続けられません)。

 アトピー性皮膚炎の患者さんには、こうした人が多くいます。これは同時に、PCやスマホの使い過ぎ、姿勢の悪い座り方が、アトピー性皮膚炎を生じさせる可能性があることも示すと考えられます。

湿疹発症には法則がある

 ここまで読んでも、ピンとこない人もいるでしょう。でも実際に、肌のトラブル、湿疹発症には法則があります。

 私は現在、近年特に増えているアトピー性皮膚炎の根治のカギとなる「アトピー発症機序理論」を提唱しています。この理論は「アトピーの湿疹は、どうしてAという場所に出るのか?」ということを「このような状況のときに出ますよ」と、理論的に誰にでも納得できるように説明する、湿疹発症の法則です。

 アトピー性皮膚炎を治療する医師も患者さんも、湿疹が出るのは「ストレスがかかっているとき」「食生活に問題あるとき」だということは、経験則から知っています。

 ところがストレスは全身にかかるのに、湿疹を繰り返すのは顔の生え際やフェイスライン、デコルテ(首から肩までの部分)ばかりという人が多い。あるいは食事を改善し、サプリメントを飲み、栄養素を全身に届けられるようにしても、なぜか脇やわき腹、すねや太ももの外側の湿疹は治らないという人もいます。つまり、「湿疹の出る場所に偏りがある」わけです。

 こうしたアトピー性皮膚炎の湿疹に対し、ステロイドは非常に有効な薬ですが、それだけでは必ず再発するのが実情です。しかも、同じ場所に。これを湿疹発症の法則に当てはめて、「その部分に出る理由」を解剖学的・生理学的に説明し、対応した運動を行うことで治すというのが、アトピー発症機序理論です(食事の見直しやメンタルケアが必要になることもあります)。

RELATED ARTICLES関連する記事

医療・予防カテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • あなたも「隠れ心房細動」?! 高齢化で急増する危険な不整脈NEW

    脈の速さやリズムが乱れる「不整脈」。その一種である「心房細動」は、高齢化に伴い患者数が増加しており、潜在患者も含めると100万人を超えると言われている。心房細動の怖いところは、放置すると脳梗塞などの命に関わる病気を引き起こす可能性があることだ。本記事では、心房細動の症状や早期発見のコツ、治療のポイントなどをコンパクトにまとめた。

  • 変形性膝関節症のつらい痛みを改善する運動とは?

    年を取ると多くの人が感じる「膝の痛み」。その原因で最もよくあるケースが「変形性膝関節症」だ。膝が痛いと外出がおっくうになり、体を動かす機会が減るため、そのまま何もしないとますます足腰が衰えてしまう。だが実は、変形性膝関節症の痛みをとり、関節の動きを改善するために有効なのが、膝への負担を抑えた「運動」なのだ。ここでは、膝の痛みが起きる仕組みから、改善するための運動のやり方までをまとめよう。

  • 始めよう筋トレ 最低限やりたいエクササイズと食生活のポイント

    筋トレはできるだけ若いうちに始めることに大きなメリットがあるといわれる。それはなぜなのか。また、どんな筋肉をどのように鍛えるのが効果的なのか。高齢になってもしっかりした足腰でいるために今のうちから最低限やっておきたい筋肉エクササイズ、食生活の注意点などを知り、今年こそ「筋トレ習慣」を身に付けよう。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

日経Gooday新型コロナ特設

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2021 Nikkei Inc. All rights reserved.