本コラムは薬剤師向け専門誌「日経ドラッグインフォメーション」2014年10月号「OTCトレンドウォッチ(NewProducts)」からの転載です。薬剤師向けの内容を、一部改編しています。 市販薬は、薬剤師や登録販売者に相談のうえで購入してください。
薬剤師の対面による情報提供および指導が必須な要指導医薬品が、相次いで発売されました。今回は、新たに登場した要指導医薬品の中から、「ルミフェン」について紹介します。
ルミフェン(佐藤製薬)は、非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)であるアルミノプロフェンが有効成分の製品(単味製剤)です。
アルミノプロフェンは医療用医薬品の「ミナルフェン」として約20年間使われていた薬ですが、2008年11月末に販売中止(2009年3月末に薬価が削除)となりました。医薬品としての有用性が否定されて中止になったのではなく、他の解熱鎮痛薬との競争が激化、原料価格の高騰や薬価改定など事業的な理由によるそうです。
ルミフェンの効能・効果は「関節痛・腰痛・肩こり痛・咽喉痛・頭痛・歯痛・抜歯後の疼痛・耳痛・神経痛・筋肉痛・打撲痛・骨折痛・ねんざ痛・月経痛(生理痛)・外傷痛の鎮痛」「悪寒・発熱時の解熱」です。有効成分のアルミノプロフェンは炎症を鎮めて、関節痛や腰痛などの痛みを抑えます。また、痛みの元を作る酵素、シクロオキシゲナーゼ(COX)2をより多く阻害するため、胃への負担が少ないといわれています。
関節痛や腰痛がなかなか改善しない人に
アルミノプロフェンは、臨床試験で関節液に長く留まることが示されています。そのため関節痛や腰痛などがあり、コンドロイチン製剤やビタミン剤を服用していても、なかなか痛みが改善しない人や、痛みの部位が広く貼り薬、塗り薬などの外用剤の臭いが気になる人に適しています。
15歳以上から使用でき、痛みや発熱が表れたときに、なるべく空腹時を避けて1回1錠服用します。症状が改善しない場合には、4時間以上空けてもう1錠服用します。通常1日2回まで服用できますが、再度症状が表れた場合は3回まで服用可能です。ただし、使用中に眠気が起こることがあるので、服用後に眠気、めまい、一時的な視力低下感が表れた場合は、乗り物や機械類の運転操作をしないでください。また出産予定日12週以内の妊婦さんは使用してはいけません(禁忌)。
株式会社A.M.C代表取締役社長・薬剤師

(出典:日経ドラッグインフォメーション2014年10月号/記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)
