セカンドオピニオン外来を担当したことのある医師から、こんな話を聞くことがしばしばあります。
「『どうしてもこの病院に入院したい』と梃子でも動こうとせず、自分の希望をゴリ押しで通そうとする。ほとほと困ってしまう」
「『有名病院で大丈夫と言われたい』という目的で利用する患者さんが結構いる。別の専門家の意見を聞きたいというよりは、自分が希望する“結論”に沿った説明を聞きたいがために来院するので、対応にエネルギーを消耗する」
こうした形の使い方は、セカンドオピニオンの本来の趣旨から外れていますし、病院側も困ってしまいます。
もちろん、今かかっているドクターの説明で十分納得できたり、別のドクターの意見を聞く必要性を感じなかったりする場合は、無理にセカンドオピニオンを求める必要はありません。また、逆に、セカンドオピニオンを聞くのに変な遠慮をする必要もありません。私の知り合いのある放射線腫瘍医は、「僕は患者さんにセカンドオピニオンを受けてきてほしいと推奨しています。自分が正しい診断を下し、適切な治療法を提案していれば、セカンドオピニオンを受けた後の方が、自分への信頼がより厚くなるので」と、常々話しています。
セカンドオピニオンを求める際のポイント
さて、セカンドオピニオン外来にかかるには、今かかっている病院から、紹介状(公的医療保険のルール上の名称は診療情報提供書)を書いてもらう必要があります。
通常、別の病院にかかる際に書いてもらう紹介状には、費用が発生します。診療報酬上では「診療情報提供料」として規定されており、その報酬は250点(1点=10円なので2500円)ですので、患者の自己負担は750円(3割負担の場合)となります(2014年4月の診療報酬改定時点)。一方、紹介状がセカンドオピニオンを目的とする場合は、診療報酬は倍の500点(同5000円)で、患者の自己負担も倍の1500円(3割負担の場合)になります。両者の額は異なるもののともに診療報酬として設定されているという事実は、患者がセカンドオピニオンを求めることが、公的医療保険上でも認められていることを意味します。
最後に、セカンドオピニオンを求める際のポイントをまとめておきましょう。
1)セカンドオピニオンを聞く前に、まずはファーストオピニオンをしっかりと聞いておく
2)あらかじめセカンドオピニオンを聞いてみたいと希望する医療機関に問い合わせ、時間や費用、申し込んでから実際にセカンドオピニオンを聞くまでの待機日数などを確認する
3)申し込む段階で、自分が聞きたい項目をある程度絞り込んでおく。質問項目を申込用紙に記入するように求められることもあります。聞きたい内容に関して必要な情報(これまでの治療歴や飲んでいる薬の種類など)をまとめておくとスムーズです
以上の3ポイントを押さえた上で、セカンドオピニオンを有効に活用してみてください。

