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医療問題なぜなにゼミナール

第13回 患者が知っておきたい「医療事故調査制度」

報告対象は「予期せぬ死亡」、報告するか否かは医療機関の判断

 山口育子=NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長

医療事故調査は医療者の責任の追及や処罰が目的ではない

 日本人の心情として、遺体の解剖に抵抗を持つ方が多いのですが、死亡原因の究明には解剖の持つ役割は非常に大きいです。

 時折COMLに届く相談で「亡くなってまで切り刻むことに抵抗があって解剖は拒否したけれど、死因をはっきりさせたい」と言ってこられる方がいます。しかし、荼毘に付した後では遅いのです。私は、この制度が始まるまで全国11カ所で行われたモデル事業にかかわっていたのですが、解剖して調べることによって、意外な死因が判明することを目の当たりにしてきました(もちろん、解剖しても死因がわからないこともありますが…)。それだけに、死因の究明を望むなら、解剖に承諾することはかなり大きな意味を持つと思っています。

 最近は、死亡時画像診断(Ai)といって、死後に撮影したCTやMRIなどの画像を死因究明に役立てる方法もあります(小説やドラマなどで取り上げられたため、知っている人も多いでしょう)。ただし、Aiは万能ではなく、病状によってはわからないことがあると理解しておくことも大切です。

 医療事故調査の目的は、事故の原因究明及び再発防止であり、それによって医療の安全と質の向上を図ることにあります。“医療事故”と言うと、誰かがミスを犯したと考えがちですが、必ずしもそうではないのです。医療者の責任の追及や処罰が目的ではないということを、患者・市民としても理解することも必要だと思います。

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山口育子(やまぐち いくこ)
NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)理事長
山口育子(やまぐち いくこ) 大阪市生まれ。自らの患者体験から、患者の自立と主体的医療の必要性を痛感していた1991年11月、COMLと出会う。「私たち一人ひとりが『いのちの主人公』『からだの責任者』。そんな自覚を持った『賢い患者になりましょう』をキャッチフレーズとした活動趣旨に共感し、1992年2月にCOMLのスタッフとして参加。創設者の辻本好子氏の死去により、理事長に就任。COMLでは、電話相談や各種セミナーなどを積極的に実施。このほか、厚生労働省をはじめとした各種検討会の委員としても幅広く活動している。

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