誰もがいつかはお世話になる「医療」。ですが、自分や家族が病気になるまで、医療については特に関心がないという人も多いのではないでしょうか。医師との付き合い方や医療制度の動向まで、いざという時にあわてず、安心して治療を受けるために必要な知識をNPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)理事長の山口育子さんが伝授します。
2016年8月に、東京大学大学院医療コミュニケーション講座とのコラボレーションで、東大&COML共催「夏休み★親子で学ぼう『こどものいのちとからだの10か条』」を開催しました。主に東大病院のホームページで知ったという9人の小学生と保護者が参加してくれました。
子ども向けの『いのちとからだの10か条』は、COMLが2014年につくったものです。子どものころから「いのちやからだは自分で守るもの」という意識を持ち、せめて小学生になったら、医療機関を受診したときに自分で自覚症状を伝えようというメッセージを込めました。
小学生を対象にワークショップを開催
今回のワークショップは、オブザーバーなど関係者を含めて総勢20名余り。お互いにまったく面識のない子どもたちなので、最初は会場内に緊張感が漂っていました。
子どもたち用の椅子を横並びで5席ずつ縦2列に並べ、その後ろに保護者やオブザーバーの席を用意。「子どもは、青い椅子の好きなところに座ってください」と伝えると、何と前列の真ん中から席が埋まっていきました。大人向けの講演会では前の席から埋まることは滅多にないので、子どもたちの積極性が嬉しくなりました。
まずは講座の目的と、私自身の自己紹介から。「私の名前は山口育子です。大阪から来ました。こういう紹介をすることを自己紹介と言います。では、皆さんにも自己紹介してもらいましょう」と言うと、一人ずつ私の前に立って参加者の方を向き、全員がしっかりと自己紹介をしてくれました。
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