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医療問題なぜなにゼミナール

第8回 大病院にかかる際に「紹介状」が必要なわけ

背景には診療報酬による経済誘導も

 山口育子=NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長

紹介状を持たずに大病院を受診すると特別料金がかかることも

 紹介状は、正式には「診療情報提供書」と言います。患者が診療所などで紹介状を書いてもらうと、「診療情報提供料」という診療報酬が発生します(患者には定率の自己負担が生じます)。一方、紹介状を持たずに200床以上の病院を受診すると、保険外併用療養費制度の対象となり、特別料金がかかります。この特別料金は各病院が独自に定めていいことになっているので、数百円のところから、8000円台までさまざまです。

 保険外併用療養費制度とは、一般的には認められない、いわゆる混合診療(保険診療を行いながら、自費の診療を同時に行うこと)を、国が定めた項目だけに限定して認める制度のことです。差額ベッド料などがこれに該当します。

 200床以上の病院での特別料金は、初診の場合だけとは限りません。200床以上の病院で一定の治療を終えて、ドクターから地域病院や診療所に逆紹介することを提案されているにもかかわらず、患者が200床以上の病院にかかり続ける場合でも請求が可能なのです。ただ、再診時にも請求している医療機関は少なく、仮に請求していても、初診時の特別料金よりかなり安く設定されているようです。

 大病院に直接かかりにくいことに不便を感じる方も、少なからずいらっしゃるでしょう。ただ、賛否は別として、紹介状の持参を求められる背景を、患者である私たちも知っておいた方がいいと思います。

【関連連載】
COML患者相談室
COML患者塾

山口育子(やまぐち いくこ)
NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)理事長
山口育子(やまぐち いくこ) 大阪市生まれ。自らの患者体験から、患者の自立と主体的医療の必要性を痛感していた1991年11月、COMLと出会う。「私たち一人ひとりが『いのちの主人公』『からだの責任者』。そんな自覚を持った『賢い患者になりましょう』をキャッチフレーズとした活動趣旨に共感し、1992年2月にCOMLのスタッフとして参加。創設者の辻本好子氏の死去により、理事長に就任。COMLでは、電話相談や各種セミナーなどを積極的に実施。このほか、厚生労働省をはじめとした各種検討会の委員としても幅広く活動している。

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