詳しい結果は元の論文でチェック
消費者庁のウェブサイトには、一般消費者向けの基本情報に加えて、「有識者等向け公開情報」も公開されています。専門家向けのやや詳しい情報のことです。
ナイスリムの「機能性情報」もpdfファイルの形式でダウンロードできました(専門家でなくても、誰でもダウンロード可能です)。機能性情報には、上記の臨床試験の結果を示す査読付き論文(Br J Nutr. 2010;104:1688-95.)が添付されていました。
論文の表1には、この臨床試験に参加した被験者のことが詳しく書かれています。それによると、ラクトフェリン群(男性5人、女性8人)は、平均年齢42.8歳、平均身長161.1cm、平均体重77.7kg、平均BMI30.0、平均腹囲99.6cmでした。一方、対照群(男性6人、女性7人)は、平均年齢46.8歳、平均身長161.0cm、平均体重72.9kg、平均BMI27.7、平均腹囲93.2cmでした。
表1から、この臨床試験の参加者は、ラクトフェリン群も対照群もともに、そもそもかなり太目だったことが分かります。ラクトフェリン群の平均BMIは30(平均身長の161cm(1.61m)の人の場合、1.61×1.61×30=77.8kgの計算になる)で、平均腹囲は、なんとほぼ1mです。
アウトカムは腹部内臓脂肪面積とBMIです。こちらについてはそれぞれ表4と表3に載っていました。それをまとめたものが下記です。
0週目 | 8週目 | 差 | |
ラクトフェリン群 | 118.1 | 103.4 | ▲14.7 |
対照群 | 116.6 | 114.8 | ▲1.8 |
0週目 | 8週目 | 差 | |
ラクトフェリン群 | 30.0 | 29.4 | ▲0.6 |
対照群 | 27.7 | 28 | 0.3 |
この表から読み取れることのまず1点目は、対照群においては、0週目と8週目で、数値がほとんど変わらなかった、つまり、ダイエット効果はほとんどなかったことです。
2点目は、一方のラクトフェリン群では、腹部内臓脂肪面積(118.1→103.4)、BMI(30.0→29.4)ともに、0週目に比べて8週目が少なくなっていた、つまり、何らかのダイエット効果があったということです。論文によると、0週目から8週目への変化は、統計学的に意味のある差でした。
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