日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様
日経Gooday TOP  > 医療・予防  > 病気にまつわる数字の話  > 機能性表示食品の科学的根拠はこうチェックする!
印刷

病気にまつわる数字の話

機能性表示食品の科学的根拠はこうチェックする!

消費者庁サイトに掲載されているエビデンスの読み解き方

 北澤 京子=医療ジャーナリスト

「5年生存率」「検査陽性」「基準値」「平均余命」「リスク」…。皆さんは、ニュースで見かける健康・医療関連の数字の意味を、正しく理解していますか? 健康にまつわる「数字」について、誤解しがちなポイントを分かりやすく解説するとともに、数字の読み方、解釈の仕方についても、わかりやすく説明します。

 4月17日、前回の記事(「機能性表示食品の「機能」って、信用できる?」)でご紹介した機能性表示食品の第1弾が公表されました。消費者庁のウェブサイトに情報が公開されています。トップに出てくるのは、「ナイスリムエッセンス ラクトフェリン」(以下、ナイスリム)という商品名のサプリメントです。

機能性表示食品の届け出は次々と進んでいる。(©Marek Uliasz -123rf)
機能性表示食品の届け出は次々と進んでいる。(©Marek Uliasz -123rf)

 一般消費者向け基本情報(以下、基本情報)は、pdfファイルの形式でダウンロードできます。それによれば、ナイスリムが表示しようとする機能は「本品にはラクトフェリンが含まれていますので、内臓脂肪を減らすのを助け、高めのBMIの改善に役立ちます」で、主な対象者は「腹部肥満傾向の健康な日本人男女」だそうです。ちなみにBMIとはbody mass indexの略で、肥満の指標として一般的に使われています。BMIは、(体重kg)÷(身長mの2乗)で計算され、25以上の場合に「肥満」と判定されます。商品名からも、ダイエットしたい人向けのサプリメントであることが推測できます。

臨床試験はPICOで整理する

 機能性表示食品の制度では、メーカーが表示の届け出をする際に、「機能」の裏づけとなる根拠(エビデンス)が必要となります。ナイスリムの基本情報によると、「最終製品を用いた臨床試験」で機能を評価したと書かれています。

 前回の記事(「機能性表示食品の「機能」って、信用できる?」)で紹介したように、臨床試験はPICO(ピコ)の形で整理すると、具体的にどのような試験をしたかがイメージしやすくなります。ナイスリムの場合は、下記のようなPICOになりました。

P:だれに対して(participants)
BMI25以上で腹部肥満傾向の20歳以上の健康な日本人男女28名

I:何をすると(intervention)
人数:14人(うち1人が参加取りやめ)
摂取内容:ラクトフェリン腸溶錠(機能性関与成分:ラクトフェリン)
摂取量:ラクトフェリンとして300mg/日(1日3錠、1錠当たり100mg)
摂取期間:8週間

C:何と比べて(comparison)
人数:14人(うち1人が参加取りやめ)
摂取内容:ラクトフェリン未配合腸溶錠(ラクトフェリンの代わりに乳糖を配合)
摂取量:1日3錠
摂取期間:8週間

O:どうなるか(outcome)
ラクトフェリン群(I)は対照群(C)に比べて、腹部内臓脂肪面積は平均で12.8cm2、BMIは0.9kg/m2低い値となった。これらの指標に関して、ラクトフェリン群と対照群の2群間に有意な差が認められた。被験者の健康への(悪)影響は認められなかった。

1/3 page

最後へ

次へ

RELATED ARTICLES関連する記事

医療・予防カテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • 怖い病気を招く「中性脂肪」を食事・運動で徹底対策!

    健康診断でもおなじみの項目である「中性脂肪」。血液中の中性脂肪が150mg/dLを超えると、脂質異常症の1つ、「高中性脂肪血症(高トリグリセライド血症)」と見なされる。血管の老化を防ぎ、心筋梗塞や脳梗塞を遠ざけるためにも、中性脂肪が上がるのを避けなければならない。そこで、今回はやっかいな中性脂肪の正体や、食事や運動でできる鉄板の対策法を一挙紹介していく。

  • 長年の悩み「腰痛」を解消! 痛みを和らげる体操4選

    腰痛は日本人の国民病とも言える身近な症状だ。特に問題なのは、原因がはっきりしない、「なんだか知らないけど、いつの間にか…」始まってしまう「慢性腰痛」だ。長年にわたって慢性腰痛で悩む人は少なくない。そこで、今回は長引く腰痛の解消が期待できる体操を一挙紹介する。

  • 怖い緑内障 忍び寄る失明を回避するには

    緑内障は放っておくと失明を招く怖い病気だが、病気が進んでも中心部の視力は保たれるため、自分ではなかなか気づきにくい。本記事では、緑内障による失明を回避するために知っておきたい期症状の特徴や、早期発見のために必要な検査、最新治療などについてコンパクトに解説していく。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2022 Nikkei Inc. All rights reserved.