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病気にまつわる数字の話

がん検診のメリットは「絶対値」で考えよう

「死亡率」など、数字のインパクトに紛らわされないで

 北澤 京子=医療ジャーナリスト

情報源の種類と正しい理解は「無関係」

 この調査では同時に、市民が健康に関してよく利用する情報源についても尋ねていました。その結果が以下です(選択肢の一部を抜粋しています)。

図2◎ 健康に関する情報源(回答した人の割合、複数選択可)
図2◎ 健康に関する情報源(回答した人の割合、複数選択可)
[画像のクリックで拡大表示]

 興味深いことに、市民がよく利用する情報源と、マンモグラフィーのメリットについての正確な理解とはほとんど関連がなく、むしろ過大評価につながっていました。たとえばドイツやフランスでは、医療パンフレットの使用と過大評価との間に関連性が認められました。正確な理解との間に関連が見られたのは、消費者カウンセリング(オランダ、イタリア)、患者カウンセリング(イタリア)、自助グループ(イタリア)だけだったのです。インターネットの利用が比較的多い国(フランス、オランダ、イギリス)で、マンモグラフィーを過大評価していた人が多かったというのも興味深いです。私たちは知らず知らずのうちに、インターネット情報に踊らされている可能性があるのではないでしょうか。

 家庭医や薬剤師といった医療の専門家が、市民の正しい理解につながっていないというのは残念です。ギーゲレンツァー氏はその理由の一つに、相対リスク減少(乳がんによる死亡が20%減少)を多用することを挙げ、警鐘を鳴らしています。

 相対リスク減少ではなく、絶対リスク減少(1000人中1人で乳がんによる死亡を免れる)を用いることは、メリットとデメリットを正確に理解することにつながります。さらには、そうした統計の基になっている一人ひとりの患者をより意識することにつながるのではないかと思います。

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北澤 京子(きたざわ きょうこ)
医療ジャーナリスト・京都薬科大学客員教授
北澤 京子(きたざわ きょうこ) 著書に『患者のための医療情報収集ガイド』(ちくま新書)、訳書に『病気の「数字」のウソを見抜く:医者に聞くべき10の質問』(日経BP社)など。(撮影:直江竜也)

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