日経グッデイ

Dr.松倉のサプリのすすめ

疲労回復、集中力アップにはビタミンB群をガッツリ摂る

1日4000㎎以上を推奨、多すぎるぐらいがちょうどいい

 松倉知之=松倉クリニック&メディカルスパ院長・医師

忙しい日々のなか、健康のため、若々しさアップのためにサプリメントを活用するビジネスパーソンは多いはず。でも、そのサプリメントが体内で十分に力を発揮していないとしたら? いま注目の理論「分子整合栄養医学」をもとに、松倉知之先生があなたにとって本当に必要な栄養素と、“本当に効く”サプリメントのとりかたを提案します。

あまり知られていないビタミンBの働き

 次の状態に心当たりがある人は「ビタミンB群不足」かも?

  • 仕事の集中力が続かない
  • 疲れがたまっている。なんだかだるい
  • 最近、酔いが早く回るようになってきた
  • お酒が翌日に残る。二日酔いが治りにくい

 今回は、耳にすることは多いけれどその働きはあまり知られていないビタミンB群のお話です。忙しくて、パンやおにぎり、麺類など糖質中心の食生活を送る人は、糖を消費する際に費やされるビタミンB群が根本的に不足しています。さらに、集中を強いられる局面が多い人、飲酒量や飲酒頻度が多い人も、積極的にB群を摂るように意識することが大切です。

 ビタミンB群とは、体に入った栄養成分をエネルギーに変えるときに不可欠なビタミンの仲間です。

 B1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの8種類を総称して「ビタミンB群」と呼んでいます。B1は糖の代謝を進め、B2は脂肪の分解を促し、B6はタンパク質の分解と合成を助けるなど、8種類すべてが互いに協力しあって体のエネルギーを生み出すプロセスに関わっているために、「B群」というチームとして認識する必要があります。B群はこうした機能を有しているので、疲労回復のドリンク剤などにもよく配合されています。

 また、B群は、体内で起こっている「酸化」の抑制にも間接的に関わります。B群は体中の細胞の正常な代謝活動を助ける「補酵素」として、欠かせない存在なのです。

神経伝達物質を作り、集中力も高める

ビタミンB群は、神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、神経伝達物質の合成を助けるなど脳の働きにも重要な役割を担っています。(©rido-123RF)

 さらにビジネスパーソンに知っていただきたいのは、B群は脳の働きにも重要な役割を担っているということです。糖質を分解するB1が不足すると、脳のエネルギーが不足し、とたんに頭が回らない状態になります。また、B群は脳の神経伝達物質の合成のすべての段階に関わっています。神経の働きを整えたり、傷んだ神経を補修したり、たんぱく質をドーパミンやセロトニンといった神経伝達物質に作り替えるなど、「脳力アップ」のためにもB群は欠かすことができないのです。

 実は脳を酷使するときには、すごくたくさんのビタミンB群が消費されています。試しに、うんと集中した作業の後の尿の色を確認してみてください。通常、ドリンク剤やビタミンBサプリを飲んだ後は尿の色は黄味がかって(B2の色)いますが、B群が消費されることによって黄色い成分が抜け、尿が白っぽくなっているのを確認できるはずです。

二日酔いにも、B群不足が関わる

 お酒を飲む機会が増える年末年始になると、悩まされるのが「二日酔い」ですね。二日酔いといっても症状は、吐き気、胃のむかつき、下痢や頭痛などさまざまです。これらのつらい症状は、体内に入って血中を巡るアルコールが肝臓で分解される過程に発生するアセトアルデヒドという毒性物質が主な原因となって起こります。

 肝臓にはアセトアルデヒドを酢酸に、さらに二酸化炭素と水に分解する酵素が備わっているのですが、これらの酵素の働き(活性)には遺伝子レベルで決まっている個人差があり、日本人は、この酵素の働きが弱い人が多いことがわかっています。お酒を飲むとすぐに顔が赤くなる人は、まさにこの酵素の活性が低いタイプ。アルコールを代謝しきれないから、体にマイナスの影響が起こりやすいのです。

 B群は、アルコールの分解と代謝に不可欠な栄養素です。だから、連日のようにお酒を飲む人の血液を調べると、決まってB群の数値が低くなっています。日々消費されていく量に加えてアルコールの代謝によって加速度的に減ってしまうためです。二日酔いで起こる胃のむかつきや下痢も、アルコールが直接胃壁や腸を刺激しているだけではなく、B群不足により酸化ストレスが進むことによって体の内側からも粘膜が痛んでいるのでは、と私は考えています。

 

市販のサプリメントで1日4000㎎をとるには

 B群を食事からとるには、玄米、豚肉、卵、カツオやマグロ、レバー類などがお薦めです。しかし、より多くの成分を効率的にとって、活力を高めたいというときにはサプリメントが役立ちます。

 私は、ビタミンB群を1日4000㎎摂取することを勧めており、クリニックでは医療用の高濃度なサプリを処方しています。市販のサプリメントを活用する場合、インターネットなどで簡単に購入できる「B-100」と呼ばれるサプリメントであれば、1粒でB1、B2、ナイアシン、パントテン酸、B6を合わせて500㎎ほど摂取できます。8粒程度を1日2~4回ぐらいにわけて取るといいでしょう。国内メーカーの市販品はこれよりも成分量は少なくなりますが、飲むことによって不足分が少しでも補われれば、ある程度の効果が期待できるはずです。

 まずは1週間ほど飲み続けてみて、お酒が残りにくくなったり、底力が湧くような実感があったら、B群が効いている証拠ですよ。

(まとめ:柳本 操=フリーライター)
松倉 知之(まつくら ともゆき)
松倉クリニック&メディカルスパ(東京都渋谷区)院長・医師
松倉 知之(まつくら ともゆき) 1962年東京生まれ。1988年北里大学医学部卒業、同大形成外科勤務。99年より現職。ボトックス、ブルーピール、レチノイン酸などを日本に導入したことで知られる。一人ひとりの患者に結果の出る最良の治療法を提示することを信条とする。日本形成外科学会・日本美容外科学会・日本整形外科学会・国際形成外科学会専門医、医学博士。