LOH症候群をセルフチェック! 4つの症状に要注意
男性ホルモンは、通常、25歳ぐらいが分泌のピークです。健康な人の場合、50歳ぐらいでは「まだまだ元気!」であることが多いのですが、日々直面するストレスが強いと、40代から分泌低下に加速がつき始めます。
男性ホルモンは主に精巣で作られますが、ストレスに対処してホルモンを分泌する臓器である副腎も消耗することで、影響を受けるのです。じわじわと分泌量が減り続けるために、LOH症候群だと気付かずにそのままやり過ごしてしまうと45~60歳ぐらいまで、長く続いてしまう人もいます。次に挙げる4つの症状に気付いたらLOH症候群の可能性が高いでしょう。
1.感情の起伏が大きくなり、ネガティブ思考になる
たいしたことでもないのにイライラしたり、カッとして怒鳴ってしまうものの、あとでクヨクヨと後悔する。こんな気持ちの浮き沈みに悩んでいませんか。また、物事を常に悲観的にとらえるといった、メンタル面での変化はLOH症候群の最大の特徴です。男性ホルモンは精神安定にも関わるため、精神面に変化が現れるのです。
2.性欲が低下する
性欲や男性機能が明らかにダウンする、というのも重要なサインです。
3.闘争心がなくなる
男性ホルモンは、“闘争ホルモン”といっていいくらい、日々のやる気、意欲を高めることにも関わっています。「やる気が出ない」「仕事がつまらない」と感じることが多くなります。
4.筋肉の質が低下し、体がたるむ
男性ホルモンが低下すると、筋肉にも影響が及びます。筋肉量は変わらなくても、その質が低下してしまいます。弾力性が失われたり、パワーを発揮しにくくなります。いつも駆け上がっている階段なのに、上るのがしんどくて最近エスカレーターを使うようになった、というような変化はありませんか? また、風呂上がりに鏡で自分の体を見たときに、胸や背中のたるみに気付き、「老けたな」と実感するかもしれません。
サプリメントでホルモン力をアップ! 昼夜のメリハリがカギ
LOH症候群というと、「男性ホルモンの低下が原因」とストレートに結びつけるとわかりやすいのですが、私はもっとさまざまな要因が複合的に絡んでいると思っています。たとえば、食生活が乱れ、糖質の多い栄養ドリンクに頼って元気を取り戻そうとしている人は、それが体内の酸化を進め、ストレス源となっているかもしれません。また、タンパク質やビタミンB群が不足することによって睡眠に必要なメラトニンなどのホルモン分泌が低下し、よく眠れずに疲労がとれないことが要因かもしれません。夜は睡眠の質を高めて体をケアすることも意識しましょう。
こうした生活の改善の助けになるのがビタミンB群です。特に、B群に含まれるナイアシンは精神安定効果があり、しかもコレステロール値を下げる働きもあります。これまで何度かご紹介したように、ビタミンB群として、1日当たり4000mgを目安にとるとよいでしょう(参照記事:「疲労回復、集中力アップにはビタミンB群をガッツリ摂る」)。
サプリで補うならDHEAを!
さらに、LOH症候群にサプリメントで対応する場合には、性ホルモンの前駆体である「デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)」が有効です。加齢とともに男女とも体内のDHEA濃度は減少するとされていますが、そもそもこのホルモンは、タンパク質の合成を促し、細胞を若々しく保ち、ストレスを緩和したり脳機能を向上させたりする働きがあります。
クリニックでは血液検査を行い、どのくらい不足しているのかを確認してから服用を薦めていますが、それが難しいようなら、1日当たり50mgほどを目安に取ってみましょう。ただし、人によって必要量は異なります。もしも、体内で過剰になると、ニキビや脂っぽい肌の原因になるので、気になる症状があったら摂るのを中止してください。LOH症候群で起こる不調を改善したいと考えている人は、早めに泌尿器科などの専門医に相談することをお勧めします。