忙しい日々のなか、健康のため、若々しさアップのためにサプリメントを活用するビジネスパーソンは多いはず。でも、そのサプリメントが体内で十分に力を発揮していないとしたら? いま注目の理論「分子整合栄養医学」をもとに、松倉知之先生があなたにとって本当に必要な栄養素と、“本当に効く”サプリメントのとりかたを提案します。

「人は血管とともに老いる」といわれますが、自らの血管や全身の健康状態を知る重要な指標の1つとなるのが、血圧です。
血圧とは、血液が全身を巡るために必要な圧力のこと。この圧力が高い状態に体がさらされ続けると、血管や心臓、脳などに問題が起こり始めます。血管では動脈硬化、心臓では心筋梗塞や心不全、脳では脳梗塞や脳出血、腎臓では腎不全など、他人事だと思っていたような病気が近づいてくるのです。
血圧が高い人ほど心臓や血管系の病気にかかりやすく、それによる死亡リスクも高くなることも明らかになっています。痛みといった明確な自覚症状に乏しいため、「たかが血圧」と放置する人がとても多いのですが、それは大きな勘違いです。
死に至る病気につながる「高血圧」
日本高血圧学会が定める「高血圧」とは、いわゆる“上の血圧”と呼ばれる収縮期血圧(心臓が血液を送り出すために収縮した時の圧力)140mmHg以上、“下の血圧”と呼ばれる拡張期血圧(心臓が拡張して、血液が戻ってくる時の圧力)が90mmHg以上で、どちらか一方が、先の数値を上回っている状態を指します。健康診断などで「血圧が高め」と言われたことがある人は、まず診察を受けて、血圧に関連する病気が隠れていないか、他の病気を起こしていないかを確かめてもらいましょう。
今回は、ここ数年続けて健康診断で高めの血圧を指摘された人 、血圧を適正化しておきたい人に、サプリメントに関するアドバイスをしたいと思います。
あなたの生活のうち、以下のようなことは思い当たらないでしょうか。いずれも、血圧上昇と密接に関わる、注意しなければならない生活習慣や自覚症状です。
- 治療を始めるほどではないが、「血圧は高め」と言われたことがある
- 外食する機会が多く、お酒もよく飲む
- 薄味よりもしっかりした味付けが好き
- むくみやすい
- 脚がつりやすい
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