紫外線によっても目はダメージを受けている

目は紫外線にさらされやすい、つまり、常に活性酸素にさらされている臓器でもあります。活性酸素とは周囲の物質を酸化させる力が強い酸素のことです。
細胞内には、活性酸素によるダメージから体を守るために「グルタチオン」という抗酸化物質が待機しています。しかし、年齢とともに細胞内のグルタチオンの濃度は下がり、活性酸素の攻撃に対して脆弱になってしまいます。
さらに、疲れると甘いものや炭水化物を欲するような人は、体内で酸化物質が増えやすくなっていると考えられます。血液中の糖が過剰になると、体内では糖を代謝する仕事をフル回転で行うこととなり、その結果、代謝産物である酸化物質が多く発生します。糖尿病の患者さんが「糖尿病性網膜症」になり、失明に至るのはこのような糖質過多の食習慣の蓄積が関係しているのです。
「ナットウキナーゼ」と「抗酸化サプリ」で目の健康を底上げ
眼精疲労というと目薬を処方されたり、加齢性黄斑変性の進行を抑えるとされる色素成分「ルテイン」などが注目されがちですが、もっと基本的な目の働きに欠かせない「血液循環」と「抗酸化」をキーワードにしたサプリメントを補うことも、大切にしてほしいと思います。
血液循環を良くする働きがあり、副作用もなく安全に飲めるサプリとしてお薦めなのが、納豆から抽出される酵素「ナットウキナーゼ」です。摂取上限量(ナットウキナーゼ協会が定めた推奨値)である1日当たり2000FUを目安に取ってみましょう。ちなみに私のクリニックでは、患者さんの体調を確かめながら3000~5000FU処方しています。
目を「酸化」というダメージから守るには、細胞膜を通過して細胞内に入り込む水溶性の物質であるビタミンCと、細胞膜に待機して抗酸化能を維持する脂溶性の物質であるビタミンEの両方が必要です。さらにαリポ酸を組み合わせると、ビタミンC、ビタミンEの抗酸化力をさらに高め、長続きさせることができます。
ビタミンCは1日当たり2000mg取れば良いでしょう。水溶性なので、使われなかった分は次々排せつされていきます。ですので、1回にまとめて飲むのではなく、1日4~5回に分けるなどしてコンスタントに補給していくのがお勧めです。ちなみに、ビタミンCの必要摂取量は100mgですが、これはビタミンC不足が引き起こす壊血病を防ぐために決められた数値です。治療を目的とする分子整合栄養医学では、2000mg程度服用すれば効果が得られると考えられています。
一方のビタミンE(トコフェロール)は、耐容上限量を超えないように取ってください。α、β、γ、δの4種類を含むトコフェノールであれば800IUとなります。600IU以上なら眼精疲労の改善効果を実感できるはずです。ビタミンEは過量に摂取すると、出血のリスクが高まるため、飲み始めたから不調を感じた場合には、医療機関を受診するようにしてください。