こってり食生活が「血液の巡り」を悪くしている

目が重く感じたり、痛みがあったり、さらに首や肩までがちがちに凝る、ときには頭痛や吐き気もある…。このような不調を伴う眼精疲労を起こしている時、目の中では何が起こっているのでしょう。
私たちが物を見るときには、目のいろいろな部分が働いています。両目を連動させて視野をとらえるために、脳が指令を出し、目の神経を介して眼球周辺にある筋肉を動かしています。眼球を上下左右に動かす、焦点を合わせるために水晶体の厚さを調整する、そしてまぶたを開けるなど、視神経や目の周囲にある筋肉や組織が絶えず連携し合っています。
このような連携プレーがあってはじめて目的のものをクリアに見ることができるのですが、視神経や筋肉がスムーズに働くには、この部分に「血液がスムーズに巡っている」ことが非常に重要なのです。
しかし、忙しい現代人は、特に食事が乱れがちで、揚げ物やラーメンなどで手軽にお腹を満たすために、脂質を多くとりがちです。すると、当然ながら血液はドロドロになりやすく、体の隅々まで栄養や酸素を送る毛細血管の血流が滞りがちになります。体の細部まで行き渡る血流が悪化すれば、視神経や目の周囲の筋肉の働きも悪くなってしまうのです。
見えづらい、と脳が判断すると、視神経は目の周囲の筋肉をさらに緊張させるよう命令し、それに連動するように肩や首もがちがちに凝る。このような状態では神経の興奮がなかなか収まらず、交感神経が優位になってしまいます。このように、血液の巡りが悪くなることによって、目の疲れ、肩こりや首の凝り、不眠など、不調の連鎖を生んでしまいます。
「微少循環」が目の健康を支える
体の隅々まで血液が循環することを「微小循環」といい、これが滞ることを「微小循環不全」といいます。全身の各組織の細胞に栄養を送り、老廃物などの代謝産物を回収するという大仕事をこの微小循環が担っていることを知ると、心臓や動脈などの太い血管よりも微少循環のほうが「主役級」の存在、と言えるかもしれません。
例えば、お酒を飲むと顔が赤くなるタイプの人は、酒の飲みすぎに要注意です。アルコールをスムーズに代謝できないため、少量だけ飲んでも体の解毒器官である肝臓に負担をかけています。肝臓も、微少循環がはり巡らされている臓器です。肝臓は、体に入った悪い物質を解毒するとともに、栄養となる物質を正常に代謝する働きも担っているので、肝臓の機能が低下すると、すぐに目にも悪影響が表れます。東洋医学では「肝は目につながる」というそうですが、目の健康を考えるならば、血液をきちんと巡らせることを意識したいものです。
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