副腎疲労の疲れは3段階で進行する

ストレスにさらされる期間が続いたり、疲労が蓄積したりすると、それらに対抗するためのホルモンを分泌していた副腎はオーバーワークの状態になってしまいます。すると、今度は副腎からコルチゾールが分泌できなくなり、必要量を確保できなくなります(成人の場合、朝8~10時に血液検査をしたときの血中コルチゾールの基準値は4.0~23.3ug/mL)。このような状態を“副腎疲労”と呼んでいます。
日本ではあまりなじみのない言葉ですが、欧米では抗加齢医学の分野で「アドレナル・ファティーグ」としてすでに認知されている疾患です。
副腎疲労を起こした人は「動きたくない」というより「動けない」状態に近いのが特徴です。かなりの疲労感や、強いめまいなどがあり、仕事中に突然倒れてしまうこともあります。医療機関に行けば、コルチゾールの値を血液検査で調べることによって副腎の機能が低下していないかどうかを確かめることができます。ですが、自分では気付きにくく、もしかしたら「気のせい」と見過ごしていることが多いと考えられます。
副腎疲労は、おおまかには次のように推移していきます。
副腎でコルチゾールを増産していくと、共通の材料であるコレステロールから作られる男性ホルモン(テストステロン)が減少し、男女ともに性欲が減退していきます。感情の浮き沈みが激しくなったり、不眠気味になります。 女性の場合は、テストステロンから生成される女性ホルモン(エストロゲン)も減少することがわかっています。そのため、30代、40代でも更年期のような不定愁訴(イライラ、うつうつ、ほてり、冷えなど)が現れます。
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