カルニチンは、赤身肉に豊富に含まれる成分
こんな人には「カルニチン」が必要
- 増えた体重が元に戻りにくい
- 疲れやすくてパワーが出ない
- 階段を駆け上がると心臓がバクバクする
- 体が冷えると感じる
- 普段の食事であまり肉をとらない
年末年始にたっぷり飲み食いして太り、体重が一向に戻らないという人は、今回の話が役に立つでしょう。かくいう私も、正月明けはお腹の空き方が激しいなぁ、と実感しました。脳は甘いものが大好きで、甘いものをとってのんびりしていると、すぐにその習慣に甘やかされ、慣れてしまうものです。こんな時には食欲に翻弄されず、自らの意志で「体を立て直すぞ!」と決意することが必要です。たるんだ体を元に戻そう! と決意した人にお薦めしたいサプリメントが、「カルニチン」(正式にはL-カルニチン)です。

カルニチンとは、アミノ酸をもとに体内で作られる成分のこと。羊肉やレバーなどの赤身肉に豊富に含まれ、その名前も肉を表すラテン語「carnis」に由来します。カルニチンは成人の体におよそ20g存在し、そのほとんどが筋肉に含まれています。その他、肝臓や腎臓、心臓、脳などにも微量ながら存在します。1日当たり10~20mg程度が体内で合成されますが、その材料の多くは肉を食べることによって調達されます。特にカルニチンが豊富な羊肉を多く食べるオセアニアやモンゴルでは1日300~400mgのカルニチンをとっているのに対して、日本人は平均75mg程度といわれています。
カルニチンのサプリメントのパッケージには、「脂肪を燃やす」「ダイエットに効く」という表示があるものも多いですね。このメカニズムについてご紹介していきましょう。
カルニチンは脂肪酸を「脂肪燃焼工場」に運搬する
食事に含まれる脂肪は消化酵素によって分解され、脂肪酸という物質になって小腸から吸収され血液中を巡ります。この脂肪酸が細胞内に取り込まれ代謝されて、エネルギーに変わるのですが、これらが自動的に起こるわけではありません。
脂肪酸は、細胞内にある「ミトコンドリア」という“脂肪燃焼工場”に引っ張り込まれてはじめて、エネルギーに変わることができます。このとき、脂肪酸をミトコンドリア内に運び込む役割を担っているのが、カルニチンなのです。
カルニチンが不足すると脂肪酸はミトコンドリア内に運搬されなくなるために体はエネルギー欠乏を引き起こしやすく、だるい、疲れやすい、という状態になります。もちろん心臓の筋肉でもエネルギーが生み出せませんから、例えば階段を駆け上がったときに動悸が起こることもあります。エネルギーを作りにくいと体は熱も産生しにくくなる。「最近、やたらと体が冷える」と感じている人は、カルニチン不足になっているかもしれません。特に、普段、肉をあまり食べない人はなおさら、カルニチン不足の状態になりやすいのです。
カルニチンが不足すると、脂肪酸は脂肪細胞に運び込まれ、脂肪として蓄積されます。脂肪の燃焼スイッチを入れるには、ミトコンドリアに脂肪酸を運ぶカルニチンが有効、という仕組みが理解いただけたでしょうか。
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