飲み会に行くのが苦痛、人と会うとぐったり…。そんなときは無理せず、静かに「こもる」ことが大切です。人からも情報からもしっかりと距離を置くことで、必ず元気を取り戻せるときがやってきます。

飲み会に誘われることがとんでもなく苦痛になることがあります。
疲れていると、人は「集まり」が苦手になり、一人きりでいたくなるものです。このような状況を「引きこもり」とか「社交性がない」と呼んで、ネガティブなイメージを抱く人が多いかもしれません。
でも、人間は危機に陥ったときに「自分を守る」ために「引きこもろうとする」本能を持っているのです。
身内の死に直面したり、けがや病気をしたりしたときは、その人の生きる力(戦力)はがくんと落ちます。こんなときは下手に外に出るより家にこもっているほうが、危険を回避できる。だから心身は自然な流れとして「引きこもりモード」になります。
食欲も性欲も知識欲もなくなり、楽しいことを味わいたいという気持ちもなくなる。なぜなら、弱っているのに楽しいことに興味を抱くと、外に出たくなって、結果、外敵に狙われてしまうからです。何もしたくなくなるのは、弱った自分を守るために非常に大事なメカニズムといえます。
このような本能的な引きこもりモードが、人間には原始時代から脈々と受け継がれてきました。
ところが、現代人の引きこもりはちょっと様相が異なってきています。健康で、特に身近な人と死別したわけでもないのに、引きこもりたくなってしまう。それは、心が疲れ果ててしまっているからなのです。
心の疲れの背景にあるのは、膨大な情報量、昼も夜もない活動時間、移動の激しさなど。特に「不安をかきたてるような情報」は感情を大きく揺さぶり、心を疲れさせる最たる要因となります。
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