疲れてしまって気力が底をついたときほど「私の夢ってなんだっけ?」なんていう思いが浮かんできます。夢=実現可能な目標を持ちたいときには、「好き」と「人よりできる」の2つの要素を見つめてみるのがポイントです。

夢がない。この言葉は、私のクライアントもよく口にする言葉です。夢を描けないということで「そんな人間になっちゃった…」とさらに自信を失っていくのです。
そもそも夢って何でしょう。
子どものころは、スポーツ選手、ケーキ屋さんなど、あこがれの職業があるものです。でも、大人になると、今の仕事からがらりと業種を変えるような方向転換は難しくなります。大人が描く夢の実体を言葉で表現するなら「可能性は低いけれど、将来かなうかもしれない現実的な目標」といえるでしょうか。
何かをやりたいと思ったとき、私たちは無意識のうちにいろいろな可能性を並べ、現実化する方法を模索します。そう考えると、夢は意外と簡単に持つことができそうですが、人は元気をなくすと夢を持つことがすごく難しくなります。
そこには、「将来を見通す時間感覚の変化」が関わっています。
気力がなくなると、時間感覚が短くなります。1日をやり過ごすだけでいっぱいいっぱいなので、明日をイメージすることすら、難しくなってくる。ましてや1年先のことをリアルに考えるなんて、不可能です。
まさに夢も希望もない状態で立ちすくみ、「夢を持てない自分」がダメな人間に思えてくる。でも、こんなときは、夢について考えてはいけないのです。夢を持てないのは、うつ状態でエネルギーが枯渇しているからで、休んで、エネルギーを回復させることが1番です。
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