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自分のこころのトリセツ

「人に頼ることが苦手」こんなときどうする

「人に頼ろう」と素直に思える人は、窮地に強い人

 下園 壮太=メンタルレスキュー・シニアインストラクター

 人間には「変わりどき」があり、そのタイミングこそ、すごくしんどかった時期から浮上し始めたときなのです。

 やっぱり一人だと苦しかったなあ、という生々しい記憶があるうちに、「大人の心の強さを身につける修行だ」と思って、小さいことから始めてみるといいでしょう。

 誰にも頼らずがんばってきた人が、他人にものごとを頼むのは苦痛を伴うでしょう。説明するくらいなら自分でやりたい、と思うでしょうが、一人では必ず、行き詰まるときがきます。

 たとえば、ネットにつながっていないパソコンは「スタンド・アローン」と呼ばれます。その名の通り、自立している感じはありますが、ネットにつないだパソコンと比べるとその能力はきわめて限定されてしまいます。確かに、パソコンをネットにつなぐのは、最初は面倒くさいもの。しかし、LAN、プロバイダー、と1個1個クリアすれば、なんとかネットにつなげられるものです。それと同じと考えてください。

 ちょっと元気が復活したときであれば、人に頼んだ結果が自分の思い通りでなくても、それほど落胆や負担を感じずに対処することができるでしょう。

 小さなサポートを頼む経験を繰り返すうちに、頼むことでかえっていろいろなことがうまく回ることに気づき、素直にお礼の気持ちを伝える爽快感を得られるなど、いいところもたくさんあると肌で感じられるはずです。

 つらくなったら、誰かに頼ればいい。そう素直に思える人は、本当のところで窮地に強い人なのです。

[まとめ]少し元気が出たら人に頼る練習を。小さなことから始めよう
(1)「変わりどき」を逃さない

落ち込んでいるときはエネルギーが不足している一方、調子が上々のときは今のやり方を変える必要性を見いだせないものです。落ち込みから浮上したときこそ、「今までのやり方を変えてみる」ベストのタイミングです。「変わりどき」を逃さずに、人に頼る練習を始めましょう。

(2)小さいことから頼ってみる

いきなり人に「この先の私の人生、どうすればいいでしょうか」などと重たい相談を投げかけるのはNG。「外に出るついでに、飲み物を買ってきてくれない?」などという程度の、ごく小さなことから人に頼る練習をしてみましょう。一度ではなく、繰り返していくことが大切です。

(3)やり方をすべて変えなくてもいい

がんばり屋の人ほど「これまでとはやり方をすべて変えなくては!」と極端に考えてしまうものです。しかし、人に頼るのが下手な子どもの心の強さは「がんばる心」として持っていてOK。子どもの心、大人の心、両者をバランスよく育てていきましょう。

(まとめ:柳本 操=フリーライター)

『学校では教えてくれない 自分のこころのトリセツ』(日経BP社、2013年9月発行)より転載


下園 壮太(しもぞの そうた)
メンタルレスキュー・シニアインストラクター
下園 壮太(しもぞの そうた) 1959年鹿児島県生まれ。防衛大学校卒業後、陸上自衛隊入隊。筑波大学で心理学を学ぶ。1999年より陸上自衛隊初の心理幹部として、多くのカウンセリング経験を積む。陸上自衛隊衛生学校メンタルヘルス教官として、衛生科隊員(医師・看護師など)にメンタルヘルス、自殺予防、カウンセリングなどを教育する。惨事ストレスに対応するMR(メンタル・レスキュー)シニアインストラクター。2009年に第8回「国民の自衛官」に選ばれる。「学校では絶対に教えてくれない 自分のこころのトリセツ」(日経BP社、2013年9月発行)などの著書がある。

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 腹が立ったとき、つらいとき、不安なとき、自分の心の扱い方を知っていますか? 私が陸上自衛隊の心理幹部として隊員たちに伝えてきた怒りや絶望などの「生々しい感情との向き合い方」は、すべての現代人に役立つものです。悩みの大部分は、人間が「原始時代だったころ」を想像してみると、解決のヒントが見えてきます──「はじめに」より

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