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自分のこころのトリセツ

「焦ってばかりで何も進まない」こんなときどうする?

心身を休ませることでしか焦りを止めることはできない

 下園 壮太=メンタルレスキュー・インストラクター

焦りが止まらないときは、スケジュール帳の余白を確保しよう

 焦りの感情は誰にでもある、あなたの命を守ろうとする大切な感情です。

 しかし、心を乗っ取られそうなくらい焦りが止まらないなら、その感情にあなた自身がむしばまれている可能性があります。「自分は疲れてるんだな」とまずは自覚することが大事です。焦りを静めるには、休むことが一番…というより、休むことでしか事態を好転することはできません。

 ところが、焦りはもともと「自分を休ませてくれない感情」です。特に現代人は、入ってくる感情が多いし、関わる人数も多い。職場を離れてもメールが追いかけてくる。とにかく絶え間ない刺激が、私たちをゆっくりさせてはくれません。

焦りの正体がわかったら、次は緊急でない用事を削り、スケジュールの予備・余白部分を作り出しましょう。時間に余裕を持たせれば、焦りの感情をコントロールしやすくなり、エネルギーの無駄遣いもしなくて済みます。(©ekays-123rf)
焦りの正体がわかったら、次は緊急でない用事を削り、スケジュールの予備・余白部分を作り出しましょう。時間に余裕を持たせれば、焦りの感情をコントロールしやすくなり、エネルギーの無駄遣いもしなくて済みます。(©ekays-123rf)

 そんな人でも、焦りへの対処を落ち着いて進めることによって、休む方向に歩み出すことができます。焦りとの向き合い方について、カウンセリングの場ではこんな方法を薦めています。

 まずは、自分が何に対して焦っているのかを明確にすること。

 焦りの正体がわかったら、次は「捨てる」ことです。捨てるとはつまり、緊急でない用事を削り、スケジュールの予備、余白部分を作り出すこと。時間に余裕を持たせれば、焦りの感情をコントロールしやすくなるし、エネルギーの無駄遣いもしなくてすみます。不安な気持ちや焦りを感じることも少なくなってくるでしょう。

[まとめ]焦りの対象を明確にし、捨てられるものはいさぎよく捨てよう
(1)「何に対して焦っているのか」を明確に

 「明確化」というのはカウンセリングでよく用いられる方法。深呼吸し、自分は何に対して焦っているのか問いかけてみます。この仕事に焦っていたんだ、と気づき、これは私が選んだ困難だから仕方ない、と覚悟を決められることも。やるべきことはできている、と自信を回復する作業にもなります。

(2)捨てられるものは捨て余白を生み出す

 やる気や集中力を維持するには、予備・余白の時間が絶対に必要です。自衛隊でも、部隊が四つあればそのうち一つは予備、というくらい、余白を確保することを重要視しています。望むものすべてを手に入れることは不可能。時間の余裕を作り出すために、捨てられるものはいさぎよく捨てましょう。

(3)焦りが止まらないときは専門家に相談

 1つ目、2つ目の対処法をやってみても、焦りが止まらないときは、うつ症状が表れている可能性があります。この場合、焦りを止めようとするほど、焦りが高まってきます。焦る必要がないときでも絶えずそわそわし、ハイになっては落ち込むことを繰り返してしまうようなときは、心療内科や精神科に相談を。

(まとめ:柳本 操=フリーライター)

『学校では教えてくれない 自分のこころのトリセツ』(日経BP社、2013年9月発行)より転載


下園 壮太(しもぞの そうた)
メンタルレスキュー・インストラクター
下園 壮太(しもぞの そうた) 1959年鹿児島県生まれ。防衛大学校卒業後、陸上自衛隊入隊。筑波大学で心理学を学ぶ。1999年より陸上自衛隊初の心理幹部として、多くのカウンセリング経験を積む。陸上自衛隊衛生学校メンタルヘルス教官として、衛生科隊員(医師・看護師など)にメンタルヘルス、自殺予防、カウンセリングなどを教育する。惨事ストレスに対応するMR(メンタル・レスキュー)インストラクター。2009年に第8回「国民の自衛官」に選ばれる。「学校では絶対に教えてくれない 自分のこころのトリセツ」(日経BP社、2013年9月発行)などの著書がある。

『学校では絶対に教えてくれない 自分のこころのトリセツ』(日経BP社)好評販売中

 腹が立ったとき、つらいとき、不安なとき、自分の心の扱い方を知っていますか? 私が陸上自衛隊の心理幹部として隊員たちに伝えてきた怒りや絶望などの「生々しい感情との向き合い方」は、すべての現代人に役立つものです。悩みの大部分は、人間が「原始時代だったころ」を想像してみると、解決のヒントが見えてきます──「はじめに」より

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