月経不順は、現代の働く女性に多い「不調」の代表格。月経不順で悩んでいる女性は少なくありません。月経周期が安定しない場合は、一般にピルなどを使って生理を定期的に来るように対処しますが、ピルをやめるとまた生理不順に戻ることも多くあります。
幸福薬局の薬剤師、幸井俊高さんは、「月経不順には、体内に根本的な不調があります。漢方では、“月経不順体質”を漢方薬で改善し、自力で自然な生理が来るように導きます」と話します。今回は、月経不順の中でも、「周期」が乱れるタイプの対策を紹介していきます。
「初潮のころから月経不順ぎみで、よく生理が遅れて来ます。これまでには、長いと半年近く生理が来ないこともありました」

Aさんは、生理が来ても経血の量が少なく、色は鮮血ではなく淡紅色です。経血中に血のかたまりはありません。最後に生理が来たのが3カ月前で心配になり、漢方薬で体質改善しようと思ったそうです。舌をみると、白っぽい色をしています。
月経不順(生理不順)には、生理が遅れる(稀発月経)、早まる(頻発月経)、安定しないなどの「周期」に関する異常と、経血量が少ない/多い、だらだら続く、生理期以外にも出血があるなどの「量」に関する異常があります。いずれのトラブルにも患者さんのさまざまな体質(証)が関係していますので、月経不順については2回に分けてみていきます。今回は、「周期」が乱れる月経不順です。
月経周期が安定しない場合、一般には、ピルなどを使うホルモン療法で生理を定期的に来るように対処します(*1)。ただし、ピルなどで人工的に周期的な生理を来させても、生理不順が治っているわけではありません。生理不順の根本的な原因が改善されない限り、ピルをやめるとまた生理不順に戻ることも多く、生理不順が根本的に治ったとはいえないのが実情です。
月経不順は、体内に根本的な不調があり、その結果としてあらわれてきている病態です。体調が万全ならば、生理は安定します。漢方では、漢方薬で患者さんの“月経不順体質”を改善し、自力で自然な生理が来るように導きます。