じんましんは、飲食物や刺激などに対して細胞が反応し、皮膚に赤みやかゆみが出る病気です。「症状を一時的に抑える西洋薬に対し、漢方薬は体質から治療していきます。じんましんを繰り返す人や西洋薬では症状が抑えられなくなった人に漢方が向くでしょう」と幸福薬局の薬剤師、幸井俊高さんは話します。
「汗や日光の刺激で、赤くふくれて痒くなり、熱っぽい感じのじんましんが出ます。じんましん同士がつながって広がることがあります。最近はアレルギーの薬を飲んでも効かなくなってきました」
Aさんは、直射日光にも反応するようで、ゴルフの最中、グローブをしている側の手には、じんましんが出ないといいます。一昨年からじんましんが現れるようになり、「コリン性じんましん」と医師に診断されて抗アレルギー薬を服用していましたが、最近は薬を飲んでも出ると話していました。便はねっとりとしていて、舌は暗赤色で黄色い舌苔がべっとりと付着しています。
じんましんは、なんらかの刺激を受けた皮膚に、かゆみを伴う赤い膨疹(ぼうしん)が出ます。症状が現れてから数時間以内に消えることが多いのですが、慢性化する場合もあります。
じんましんがたまに出る程度でしたら、市販の抗アレルギー薬で対処することも可能でしょう。ただし、再発を繰り返す人や、Aさんのように西洋薬が効かない場合には、漢方薬で体質改善することをお勧めします。
西洋医学の処方は「対処療法」が主眼

じんましんは、引き起こす要因によって分類されます。サバや猫の毛、薬などに含まれる特定物質(アレルゲン)に反応して起こる「アレルギー性じんましん」、下着のこすれや圧迫、温度差などが原因で起こる「物理性(機械性)じんましん」、入浴や運動などで汗をかいた刺激で現れる「コリン性じんましん」などに分けられます。最近ではストレスや緊張による「心因性じんましん」も少なくありません。どれも厄介なのは、体のどこに発症するかなかなか予測できないことです。
西洋医学ではいずれのタイプに対しても、抗ヒスタミン剤や抗アレルギー薬で、症状を抑える「対症療法」が一般的です。かゆみなどが出ないからといって、じんましんが治ったわけではなく、それを引き起こす要因(鯖、汗、日光など)に接していないにすぎません。