他人と話す機会が多いビジネスパーソンは、自分の口臭が気になることでしょう。ニンニクなどの刺激物を食べてもいないのに、口臭が続く場合は体質によるものかもしれません。「口臭は、『熱邪(ねつじゃ)』が原因となっている場合が少なくありません。熱の勢いが盛んな実熱タイプと陰液の不足による虚熱タイプで薬を使い分けます」と幸福薬局の薬剤師、幸井俊高さんは話します。
「長年、口臭に悩まされています。仕事の関係で疲れがたまったときや、緊張が続くときに、口臭が強くなる気がします。胃が重くなり、口内炎もよくできます。唾液が少なく、口の中がねばねばします。歯医者さんで調べてもらっても、虫歯や歯周病など、口臭の原因となるものは、とくに口腔内には見当たらないと言われました」
Aさんは前の日に深酒をしたり、ニンニクのようなにおいの強いものを食べたりしていなくても、口臭がするといいます。舌は深赤色をしており、舌苔(ぜったい)がほとんどついていません。
わたしたち人間は生き物ですから、動物と同じように、多かれ少なかれ、だれにでも体臭や口臭があります。それでも、人に会うとき、あるいは近い距離で人と話すときなどに口臭が気になるのは人の常。とくに、寝不足や疲れが続いた状態で、ニンニクなどの刺激物を食べすぎたりアルコールを飲みすぎたりしたときには、誰だって口臭がするものです。
Aさんのように、食べたり飲んだりしたものには関係なく、慢性的に口臭に悩まされるケースも少なくありません。このような場合、漢方薬で体質を改善することにより、口臭が解消されることがよくあります。