イライラすることは、だれにでもあります。その原因はストレスだけではありません。同じようなストレス下でも、イライラする人もいれば、全くイライラしない人がいるように、実は体質も関与しています。「漢方薬によってイライラしにくい体質に変えられる可能性があります。漢方では、イライラは『熱邪(ねつじゃ)』の仕業と考え、火熱を冷ます薬を使います」と幸福薬局の薬剤師、幸井俊高さんは話します。
「年齢とともに、イライラしやすくなってきました。寝汗もかくようになりました。夢にうなされて夜中に起きると、寝汗をびっしょりかいていることもあります。怒らなくてもいいほどのちょっとした部下のミスにもイライラし、怒ってしまうことがあります」
のぼせや手足のほてりもあり、布団から手足を出して寝ているというAさん。のどがよく渇き、冷たい水をよく飲むといいます。舌は赤く、舌苔がほとんどついていません。
イライラすることは、だれにでもあります。自分の思いどおりに事が運ばないときや、ちょっとしたストレスを感じたときに、イライラすることは、別に病気でも何でもありません。
しかし、イライラばかりしていては、気分が落ち着かず、楽しくありません。じっとしていられず、仕事や趣味に集中できません。眠れなくなったり、「バカなことをしたな…」と自己嫌悪に陥ったりすることもあるでしょう。できればイライラすることなく日常生活を過ごしたいものです。
イライラの原因は、ストレスだけではありません。疲れや、女性なら、月経前や更年期障害などのホルモンバランスの乱れも無視できません。同じようなストレスがかかっても、すぐイライラする人もいれば、ぜんぜんイライラしない人もいます。ストレスの程度だけでなく、体質的な要因で、イライラしやすかったり、イライラしなかったりすることもあるのです。
漢方では、この体質的な要因を改善、つまり「イライラ体質」を改善することにより、鎮めていきます。「どうしてあんなことでイライラして、つまらないことをしてしまったのだろう」と落ち込むことがあるようなら、漢方薬で体質を改善してみてはいかがでしょうか。