子宮筋腫は、子宮にできる良性の腫瘍で、女性にはとても身近な病気の1つです。自覚症状がない場合もありますが、月経痛や過多月経、貧血、腰痛、頻尿、腹部の違和感などの症状がでます。幸福薬局の薬剤師、幸井俊高さんは、「漢方では、子宮筋腫ができやすい体質そのものを漢方薬で改善していきます。子宮筋腫ができやすい体質には、気、血(けつ)、津液(しんえき)の流れの停滞が深く関係していますので、漢方薬でそれらの流れを改善していきます」と話します。
「子宮筋腫があるために生理の出血が多く、貧血ぎみです。手術を勧められていますが将来、出産を希望しているので、手術はしたくありません」

Aさんは、月経時の出血が多く、疲労倦怠感など貧血症状があったので検査をしたところ、子宮筋腫がみつかりました。大きさが6センチほどのものをはじめ筋腫がいくつかあり、手術を勧められています。自覚症状としては、月経痛や下半身の冷えがあります。月経痛は、下腹部に差し込むような刺痛です。下半身は冷えますが、手は温かいほうです。月経前に頭痛が生じ、肩こりがひどくなります。唇が乾燥しやすく、舌には青紫色の斑点がみられます。貧血の治療に鉄剤を服用しています。
子宮筋腫は、子宮にできる良性の腫瘍です。子宮の内側にできたり、外側にできたり、あるいは子宮平滑筋の中にできたりします。それぞれ、粘膜下筋腫、漿膜下筋腫、筋層内筋腫といいます。
女性に子宮筋腫が発生する頻度は高く、無症状のものを含めると、女性の3割程度に達します。とくに30歳代から多くみられるようになり、閉経後は減少します。子宮筋腫の発生や発育には女性ホルモンが関係しているといわれています。
子宮筋腫は良性の疾患ですが、徐々に大きくなったり数が増えたりしやすい病気です。自覚症状がない場合もありますが、筋腫が成長するにしたがい、月経痛や過多月経、貧血、腰痛、頻尿、腹部の違和感や痛みなどの症状が表れます。不妊症の原因にもなります。気になる自覚症状がなくても、将来の健康のために、漢方薬で「子宮筋腫ができやすい体質」を改善しておくといいでしょう。