日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様
日経Gooday TOP  > 医療・予防  > ベテランドクターが教える 上手な医者のかかりかた  > 診察室で伝え上手になる
印刷

ベテランドクターが教える 上手な医者のかかりかた

診察室で伝え上手になる

医師には「今、いちばん困っていること」を伝えましょう

 橋口玲子=緑蔭診療所医師

「医療とは、医師から受けるもの」、こんな一方通行のイメージを私たちは抱いてしまいがちです。しかし、最善の医療は患者がかしこく「手に入れるもの」という発想を持つと、今よりももっと満足のいく治療を受けられたり、医師とのコミュニケーションをもっとうまくできるようになるはずです。臨床経験が豊富で、遠方からの患者を多く受け入れる緑蔭診療所の橋口玲子先生に、知っておくと絶対役立つ、患者の心得を指南してもらいます。

 前回は、「かかりつけ医」の選び方、使いこなし方についてお話ししました。今回は、実際に病院を受診するときに、つらい症状や診てほしいことを医師にどう伝えれば良いのか、そのコツについてお話ししましょう。

Cさん(女性)
「先生に『つらい症状はいつから?』と聞かれたから手帳を開いたけど、よく思い出せない。症状も、痛みや胃の不快感など不調を挙げればきりがなくて、話しているうちによくわからなくなってしまった」
 

「診察室で何を話せば良いか、受診前に症状の経過をまとめておくと役に立ちます」(©Alexander Raths-123RF)

 「この先生は相談しやすそうだ」と思うと、Cさんのように山のように症状を訴えてくる人がいます。また、医師が症状の経過を知りたくて「いつからですか?」と質問しても「ええと…」と答えに詰まってしまう患者さんもいます。

 うつ病や生活習慣病、アトピー性皮膚炎など、本来ならいろいろな専門科をまたいで受診しないといけないような病気も、かかりつけ医であればまとめて相談に乗ってもらうことが可能ですから、患者さんのほうもつい「あれもこれも」という発想になるのでしょう。

 また、普段病気をしない人はなおさら、いつもと違う体の状態があったら気になって、「すべてを伝えなくては」と意気込んでしまう気持ちもわかります。

 「すごく具合が悪い」と延々と症状を羅列する患者さんの話を聞いた後に、よくよく質問してみると「あっ、それは去年のことなのですが」と言われて拍子抜けしてしまったこともあります。

 医師は、患者さんから聞き取った情報や検査結果をもとに、診断を下すトレーニングを受けていますが、そのために大事なのは、症状の中から「緊急性」や「優先順位」を導き出すことです。頭のなかで患者さんから集めた情報に重み付けをしたり、ふるいにかけたりして、治療の優先順位を決めていきます。

 ところが、一度にあまりにもたくさんの症状を羅列されると「本当に治療すべきこと」が見えなくなりがちです。また、いろいろな不調が並行して表れているときは、一度にすべての不調を治すのではなく、特定の症状に絞って治療を行うことも少なくありません。まずは優先的に解決すべき不調について治療をし、それが改善しても頑固に残っている症状があれば、次の治療のステップへとつなげる。順序だった治療には、患者さんからもたらされる情報が整理されていることも大切なのです。

 患者さんにとっても「せっかく受診したのに満足のいく治療を受けられなかった。対処してほしかったのは別の症状の方だったのに」という失望につながることもあります。ポイントが絞られていない会話を続けるうちに、待合室にいる次の患者さんの待ち時間も、どんどん増えるばかりです。

1/2 page

最後へ

次へ

RELATED ARTICLES関連する記事

医療・予防カテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • 強い足腰を維持するための「骨」の強化法

    健康長寿の大敵となる「骨の脆弱化」を予防するには、若いうちから「骨を強くする生活習慣」を取り入れていくことが大切だ。このテーマ別特集では、骨が弱くなるメカニズムや危険因子、骨を強く保つための生活習慣のポイントなどについて解説していく。

  • もの忘れと認知症の関係は? 認知症リスクを下げる生活のポイント

    年を取っても認知症にはならず、脳も元気なまま一生を終えたいと誰もが思うもの。しかし、「名前が出てこない」「自分が何をしようとしたのか忘れる」といった“もの忘れ”は、中高年になると誰もが経験する。⾃分は周りと比べて、もの忘れがひどいのでは? ひょっとして認知症が始まったのか? と不安になる人も多い。このテーマ別特集では、もの忘れの原因や、将来の認知症にどうつながるのか、認知症を予防するにはどうすればいいのかについて、一挙にまとめて紹介する。

  • 痛風だけじゃない!「高すぎる尿酸値」のリスク

    尿酸値と関係する病気といえば「痛風」を思い浮かべる人が多いだろう。だが、近年の研究から、尿酸値の高い状態が続くことは、痛風だけでなく、様々な疾患の原因となることが明らかになってきた。尿酸値が高くても何の自覚症状もないため放置している人が多いが、放置は厳禁だ。本記事では、最新研究から見えてきた「高尿酸血症を放置するリスク」と、すぐに実践したい尿酸対策をまとめる。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

日経Gooday新型コロナ特設

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2021 Nikkei Inc. All rights reserved.