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ベテランドクターが教える 上手な医者のかかりかた

診察室で伝え上手になる

医師には「今、いちばん困っていること」を伝えましょう

 橋口玲子=緑蔭診療所医師

診察時に医師に伝えてほしいこと

 診察の際は、以下のように医師に伝えたいことをあらかじめ整理しておくと、診断がスムーズになり、納得できる医療を受けられやすくなります。

どんな症状がどのように現れたか

 発熱や咳、発疹、下痢、不眠などの症状は、その症状が現れたときの状況を手帳などに控えておきましょう。いつからいつまで、どんな症状が…、というふうにメモ1枚にまとめて渡せば、医師も「いつから始まったか」を時系列で把握しやすくなります。

一番困っていること(症状)は何か

 精神的に落ち込んでいたり、とにかくだるい、具合が悪い、というようなときは「いつから」と表現しにくいですね。そんなときは、一番困っていること、気になっていることを伝えましょう。「眠れないのがつらい」「料理ができなくて困っている」という言い方で大丈夫です。

 診察を受けた結果、納得できないことがある場合はどうすればいいでしょう。

 そのようなときは、ぜひその場で質問をしてください。

 以前、「心臓がズキズキと痛む」と訴える男性が来院しました。心電図をはじめ、あれこれ検査を行っても異常は認められず、「問題ありませんよ」と担当医から言われても不安が取れなかったと言います。男性は「痛みを感じているのに、『問題なし』だなんて。もし大きな病気が隠れていたらどうしよう」と、もやもやとした気持ちを抱えていたようです。また、この男性は医師の診断に対して、不安に思ったり、質問したりするのは良くないことだと考えていたと明かしてくれました。

 医師は、検査結果に医学的な問題が見当たらない場合、患者さんにあっさりと説明してしまいがちですが、患者さんの心には不安や疑問がいつまでも引っかかっていることがあります。立場が異なる医師と患者の間には、このような「溝」がどうしても生まれがちです。だからこそ、不安はぜひその場で解決するべく、納得するまで質問をしてほしいと思います。それが患者の権利です。

 しかも患者さんの側が、医師からの説明や治療内容についてしっかり納得できているほうが、治療効果も確実に上がる、と私はこれまでの経験から実感しています。

 私はそのような質問が患者さんから出た場合は、「命に関わるような病気はないことが検査によってわかっていますから、安心してください」と、まずは患者さんの一番の不安を取り除くよう努めます。

 そして、この男性に私は「心臓というのは鈍い臓器で、カテーテルで内側をつついても痛みを感じないんです。痛みを感じるのは、心筋梗塞や狭心症を起こした場合で、それらの病気は検査でわかるので、○○さんの場合は除外できているから安心して大丈夫です」とお伝えしました。精神的ストレスがある場合などは、体の病気はなくてもいろいろなところに痛みを感じることがあることを説明し、少し時間をかけて様子を見ることを提案すると、男性は安堵の表情を見せてくれました。

 次回は、自身の症状についてネットで検索したり、「この薬をください」と銘柄指定で訴える患者さんの困った面について、お話ししましょう。

(まとめ:柳本 操=フリーライター)

橋口 玲子(はしぐち れいこ)
緑蔭診療所(神奈川県南足柄市)医師
橋口 玲子(はしぐち れいこ) 1954年、鹿児島市生まれ。東邦大学医学部を卒業。東邦大学医学部客員講師、および薬学部非常勤講師、国際協力事業団専門家を経て、1994年より現職。現代医学と漢方を併用した診療を行う。循環器専門医、小児科専門医、認定内科医、医学博士。成人および小児の心身症などのメンタルヘルス不調、高血圧、糖尿病などの生活習慣病やアレルギー疾患の診療のほか、ハーブ療法やアロマセラピーを用いたセルフケアに関する講演、執筆活動も行う。
(写真:室川イサオ)

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