大学病院の強みは専門技術と充実した設備、マンパワー
それでは、大学病院にかかるメリットはどんなところにあるのでしょう。
前述しましたが、大学病院のメリットは、「この分野の特にこの研究、あるいはこの手術にかけては精通している」というふうに、専門性の高い医師がいること、また、高度な検査・治療設備が整っていることが挙げられます。
また、同じ病院の中にひと通りの診療科目がそろっていることも強みです。
例えば、内科の病気で入院した後にうつ状態に陥ってしまったら、精神科の治療も受けられます。また、外科系で入院をしたときに糖尿病専門医があわせて診てくれる、という具合に、診療科を越えた「チーム医療」のためのマンパワーがあるというのも、大きなメリットといえるでしょう。
大学病院の長所 まとめ
- 専門性の高い医師がいる
- 高度な検査や治療を受けられる
- 複数の診療科との連携による 「チーム医療」を受けられる
このように、病気に対して高い専門性で対応してくれるのが大学病院ですが、いざというときにすぐに大学病院に紹介してもらうためには、普段から体のことを気軽に相談できる「かかりつけ医」を持っておくことが大切です。
次回は、「かかりつけ医」をどう選び、使いこなしていけばよいのかについてお話ししましょう。
どうしても診療時間が短くなってしまいがちな大学病院での受診。限られた診療時間を効率的に使うために力を発揮するのが「紹介状」である「診療情報提供書」です。大学病院にかかるまでの検査データや経過、紹介した医師の見立て(特に注意して診てほしい点など)が診療情報提供書には書かれています。診療情報提供書があることによって、大学病院の医師はスムーズに患者の病状を把握することができ、次にどんな検査や治療をすればよいか方針を立てやすくなるのです。
(まとめ:柳本 操=フリーランスエディター)

(写真:室川イサオ)