質問力、説明力を兼ね備えた医師は良医

説明が足りない、態度が横柄である、やたらと検査をしたがる。このような「NGな医師像」をお話してきましたが、これとは反対に、
●限られた診療時間内に患者さんの状態を理解し、ベストな治療へとつながる情報を引き出す「質問力」がある
●患者さんが必要とする情報(病名や診断、治療内容)を相手にわかりやすく 伝えられる「説明力」がある
そんな医師は良医と言えます。
患者とのコミュニケーションを円滑にするために、医師はいろいろな工夫をしているものです。
例えば、診療時には意識的に、患者さんに合わせて表情や声の高さ、話すスピードなどを変える医師もいます。無口な患者さんには、いろいろな視点から呼び水のように言葉をかけ、話しやすい状況を作っていくことも大切です。ピリピリとした様子で早口に話す患者さんには、あえて医師がゆっくりと話しかけ、気持ちを徐々に落ち着かせていくこともあります。
このような工夫ができる医師であれば、たとえ暗い表情で訪れた患者さんであっても、診察室を出るときには明るい表情になるでしょう。治療を始めるときに、医師の説明に納得し、「この治療をすれば良くなる。がんばろう」と患者さんが思えることはとても大事です。
診察を受けるときには、その医師の「コミュニケーション力」がいかほどのものか、ちょっと厳しい目でチェックしてみましょう。それと同時に、あなた自身もしっかりと質問を投げかけて、医師から有効な情報を引き出すように心がけてください。
(まとめ:柳本 操=フリーライター)

(写真:室川イサオ)