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ベテランドクターが教える 上手な医者のかかりかた

“心付け”で治療の質は上がらない

医師は元気になった患者さんからの言葉がうれしい

 橋口玲子=緑蔭診療所医師

治療には多くの医療従事者が関わっている

 患者さんは素直に「感謝の気持ちを伝えたい」と思われたり、「心付けを渡せば他の患者さんより真剣に処置をしてもらえる」と思われるのかもしれません。しかし、「常に最善を尽くそう」と信念を持って働いている医師にとっては、そもそも心付けなど必要ありませんし、もしかしたら「失礼な話だ」と受け止められることも考えられます。

 しかも、何度もお断りしているのにしつこく謝礼を渡そうとする…。そんな患者さんは正直「面倒だな」と思って、対応がおざなりになってしまうことだってありうるかもしれません。

 手術をはじめ、治療の際にはたくさんの医療者が関わることになります。主治医、執刀医以外にも、手術中は麻酔医や看護師など、多くの医療者がチームとなって働いています。ですから、そのうちの誰かに「うちだけ特別扱いをしてください」と頼んでも、実際には無理な話なのです。

お礼の気持ちだけで医師は十分嬉しい

感謝の言葉が何よりのプレゼント。(©Anna Bizoń-123rf)
感謝の言葉が何よりのプレゼント。(©Anna Bizoń-123rf)

  多くの医師にとって、患者さんが治療を終えて、元気になることが一番のやりがいになっているはずです。最後に「ありがとうございました」と、気持ちがこもったこの言葉をかけてもらうだけで、また次もがんばろうと思えます。

 医師に面会できない場合は、カードに書いたメッセージでも、伝言でもいいと思います。気持ちを伝えてくださる言葉は、受け取った側の負担にもならず、なにより心に残るものです。

まとめ

  • 公立病院の場合、医師をはじめとする医療従事者が、患者・家族からお金や品物を受け取ることは禁じられている(私立病院でも、同様のルールである例が一般的)
  • 強引に渡そうとすることのほうが、医療者側の負担になる
  • お礼の気持ちは心をこめた言葉で十分
 

(まとめ:柳本 操=フリーライター)

橋口 玲子(はしぐち れいこ)
緑蔭診療所(神奈川県南足柄市)医師
橋口 玲子(はしぐち れいこ) 1954年、鹿児島市生まれ。東邦大学医学部を卒業。東邦大学医学部客員講師、および薬学部非常勤講師、国際協力事業団専門家を経て、1994年より現職。現代医学と漢方を併用した診療を行う。循環器専門医、小児科専門医、認定内科医、医学博士。成人および小児の心身症などのメンタルヘルス不調、高血圧、糖尿病などの生活習慣病やアレルギー疾患の診療のほか、ハーブ療法やアロマセラピーを用いたセルフケアに関する講演、執筆活動も行う。
(写真:室川イサオ)

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