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ベテランドクターが教える 上手な医者のかかりかた

お薬手帳はあなたのカラダの「代弁者」

副作用や無駄な受診の防止に力を発揮

 橋口玲子=緑蔭診療所医師

お薬手帳の内容から経過がわかることも

お薬手帳の情報は医師にとっても有益なものが多いのです。

 お薬手帳とは、いつ、どこで、どのような薬を処方してもらったかを記録しておく冊子です。薬局で薬が手渡される時に、シールを貼ってもらったり、受け取ったことがある人が多いでしょう。

 お薬手帳は薬局でやり取りされることが多いので、薬剤師だけがそこに記載されている情報を使っているように感じるかも知れませんが、実は医師にとっても有益なものが多いのです。

 例えば、初診の患者さんが、他の医療機関でどんな薬を処方されてきたかを、さかのぼって把握することができます。特に糖尿病や高血圧などの慢性疾患であれば、処方薬の変化で、ある程度経過を知ることが可能になります。

 冒頭のEさんは、別の医療機関で処方された薬による薬疹を心配していたことを、診察時に打ち明けてくれました。Eさんが持参したお薬手帳を見せてもらったところ、セフェム系というグループの抗生物質が処方されていました。過去の記録から、これまで飲んだことがない抗生物質であることがわかりました。

 一般に薬疹とは、体の免疫系が、ある薬の成分を異物として認識し、過剰に反応する記憶がつくられた後に、再び同じ成分が体に入ってきた時に起こる「アレルギー性薬疹」を意味します。ですから、初めて飲んだ薬で、飲んだ直後にじんましんが起こることは考えにくく、Eさんのような場合は、薬疹の可能性は低いと考えられます。

 一方、セフェム系抗生物質の場合、例えば、Aという薬にアレルギーがあれば、初めて飲むBという同じセフェム系の薬に対しても、飲んだとたんに薬疹が出てしまうことがあります。しかし、繰り返し同じグループの薬を飲んでも大丈夫だったのであれば、セフェム系抗生物質による薬疹の可能性も除外できます。Eさんの場合、お薬手帳の情報から、それまでに何度もセフェム系抗生物質を飲んだことがあることが分かり、セフェム系抗生物質による薬疹の可能性も極めて低いことがわかりました。

 ただし、初めて飲んだ薬でも、続けて飲んでいると数日から数週間で薬の成分に反応する免疫系の変化が起こり(「感作される」といいます)、薬疹が生じる場合はありますが、一番多いのは過去に飲んだことがある薬を、間を空けて再度服用した場合です。

 実は、たまに出るじんましんは、ウイルス感染(いわゆる風邪など)が原因であることが多いのです。ウイルス感染によって体の免疫機能が乱され、じんましんが出やすくなると考えられています。Eさんももしかしたら、風邪を引いたことでじんましんが出やすくなっていたのかも知れません。

 もし、「薬疹かも…」と不安になった時は、その薬を処方した医師を再受診しましょう。かかりつけ医に自分の情報を把握しておいてもらった方が安心です。

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