ああ、女房が眩しく見える
やっぱり目を見てすぐに分かるのが目の病気。目を見れば一目で分かる病気がこの白内障です。白内障はご存知のように、水晶体という目のレンズの役割をする部分が濁ってくる病気で、黒目が白く見えるようになります。
進行すると視力障害を起こしてきますが、眩しく感じることも多いんですね。最近長年連れ添った女房がやけに眩しく見える、という方、これね、奥さんが綺麗になったんじゃなくて、白内障なんですよ。
でも、水晶体はなぜ濁るのでしょうか。その最大の原因は活性酸素なのです。活性酸素は、身体のあちこちを錆び付かせて、がん、動脈硬化、老化などの原因となる物質です。この“身体が錆び付く”ことを「酸化」と呼びますが、じつは白内障では水晶体が酸化されることで濁りが生じます。つまり、酸化の原因になるものは、すべて白内障の原因でもあるというわけなんです。
じゃあ、どんなことが酸化の原因になるのか。それはあなたの回り、とくにオフィスにはいくらでもあります。毎日寝不足して通勤で過労気味、会社に行けばストレスにまみれてノルマをこなす、ランチで外に出れば紫外線に排気ガス。夜になっても残業で帰れない、パソコンの前でイライライライラ・・・これらはみんな活性酸素を増やします。こうなったらヤケだって、帰りに飲みながらタバコを一服。あのね、それが一番いけないのよ。深酒もタバコも活性酸素をすっごく増やすんだから。
白内障の大きなリスクとなるものに喫煙があります。これはスウェーデンで行われた研究ですが、4万人以上の男性を12年間調べたところ、1日にタバコを吸う本数や、過去の累積喫煙量が多くなるほど、白内障の手術(水晶体の摘出)を受けるリスクが増えるんだそうです。
じゃあどのくらい多いかというと、1日に15本以上吸う人は、全く吸わない人に比べると、手術を受けるリスクがなんと42%も高かったのです。もっとも禁煙するとそのリスクは低くなり、禁煙期間が長いほどリスクも下がった(*1)とのことですから、禁煙は白内障の予防にも良いということになるわけです。
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