どうすりゃいいのよ
ここまで食事に気をつけることはないのですが、それでもやっぱり気になる情報はあるもので、昨年(2015年)1日50グラムの加工肉(ハムやソーセージ)を食べる人は大腸がんのリスクが高まると、かの有名なるWHO(世界保健機関)の専門組織、国際がん研究機関が言い出しました。さらに赤身肉も大腸がんの原因になるって言われだしたんですね。「赤身も黒だ」って、訳分かんない。
そんな情報がいっぱいあるから、「やっぱり肉はいけないんだあ」とみんな思うようになったんですね。でもその一方で、歳を取ったらお肉を食べなさい、それが長生きの秘訣です、という話もあるから、「じゃあどうすりゃいいのよ」ってことになるわけですよ。
「お肉好き」、って人は多いです。「やっぱり俺は肉だよ、肉」、そうですよねえ、暑い夏を乗り切るには肉ですよ。でもさ、なんとなく後ろめたい気持ちで食べてませんか。どうせ食べるなら、迷いなく、気持ちよく食べたいですよね。
そこで、こんな悩める中高年に、明確な答えを出してくれた人達がいるのです。南カリフォルニア大学の研究チームが、動物性たんぱく質の摂取とがんの死亡リスクについて研究したんですね(*1)。ひょっとして彼らは、動物性たんぱく質なんか関係ないよという結果を出して、安心して思い切りステーキを頬張りたかったんじゃないかしら。ところがおっとどっこい、こんな結果になっちゃった。
実は、動物性たんぱく質をいっぱい食べてる人たちは、摂取量が少ない人たちに比べて、がんの死亡リスクがなんと、4倍以上高かったのです(*2)。この結果を見た研究者、ガーンですよね。「せっかくお肉食べようと思ってたのに」ってね。ほらあ、あなたあ、がっかりしてんじゃないの。
*2 摂取カロリーの20%以上をたんぱく質から摂っている人たちと、10%未満の人たちを比較した。
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