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立川らく朝の「わかっちゃいるけど…」

生き甲斐が健康寿命を延ばす

元気なレジェンド

 立川らく朝

(イラスト:つぼいひろき)

「お帰り、どうだったの、ミュージカルのオーディション」

「ママ、私、オーディションの後、心臓が止まったかと思ったわ」

「ええ、じゃあ、受かったのね、おめでとう」

「そうじゃないの、落ちたの」

「あらあ、でもどうして、心臓が止まったなんて思ったの?」

「だって、脈がないって言われたの」

 「コーラスライン」という有名なミュージカルがあります。ミュージカルのオーディション会場が舞台で、夢に溢れる若者が大勢登場します。人生に夢を求め、生き甲斐を手に入れようと苦悩する姿は多くの観客に感動を与えています。

 若者に夢はよく似合います。でもこれがオジサンともなると、そうもいかなくなっちゃうんですよね。次第に夢が現実に押しつぶされ、気が付くとまるでルーチンワークのような毎日、なんてことにも。人生に高い目標を持ったり、生きる意義を見つけたり、生き甲斐を感じるなんてことが、だんだん難しくなってくるものです。

 でもね、生きている限り、自分の仕事に生き甲斐を感じてる人っているものですよ。職人さんなんかにそんな人はいそうですよね。一生これ一筋、「年は取っても腕に年は取らせねえ」なんて、見ていても格好良いものです。

 86歳で、いまだに指先一本で金庫を破るという、昔気質の名人がいました。その金庫破りが銀行の金庫の中で捕まった。とはいえ86歳がたった1人で見事に大金庫に侵入したわけです。その記事が新聞に出たら、もうみんな拍手喝采。「すごい、よくやった」てなもんですよ。

 でもどうして金庫の中で捕まっちゃったかというと、侵入したまではいいけど、なんで自分が金庫の中に入ったのか、忘れちゃったんだって。やっぱりレジェンドも認知症にはかなわない。でもこういう場合、どんな罪になるんだろうね、家宅侵入?

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