日本酒がお肌を守る
でもね、日本酒は女性の姿を美しくするだけじゃないんです。じつはお肌もまた美しくしてくれるってんですから、こんな有り難いものないですよ。どうせなら、すべすべのお肌でお酌してもらう方が酒だって一味良くなるってもの。ちょいと手を握るにしたって…まてよ、こんなこと日経新聞社のサイトに書いていいのかなあ?
日本酒に限らず、どんな食品にも「うまみ成分」というものが含まれていますが、日本酒独特のうまみ成分に、α-エチル-D-グルコシド(α-EG)というものがあります。これは日本酒を醸造する時の麹菌によって生成される物質なのですが、お肌を乾燥から守ってくれる作用があるんです。しかもこれ、飲んだとたんに効くんですって。日本酒を飲んでから15分から2時間くらいで、皮膚からの水蒸気の蒸発を抑えるんだそうです。
これは金沢工業大学バイオ・化学部応用バイオ学科の研究グループが発見したことなのですが(*1)、このα-EGはすごく低濃度でも効果があるんですね。日本酒にはα-EGが約0.5%程度含まれているのですが、なんと0.00001%という、訳がわかんなくなるような、「それ、ほとんど水じゃん」くらいの低濃度でも、使い方によっては効果を発揮するんです。
「もう一杯」と出しても、「だめ、飲み過ぎよ」とお酌してくれない。「そんなこと言わずにさあ、俺と君との仲じゃあないか」と出した猪口についでくれたのが、α-EG が0.00001%の薄めた酒でした。味もなんにもありゃしない。飲んだ男がおもわず呟いたそうです、「水臭いなあ」。
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