健康に気をつけるべき、体に悪い習慣は改めるべき、とわかっていても、「そんなの無理だよ、できないよ」というのが、日々忙しく働く人たちのホンネ。落語家であり医学博士でもある立川らく朝さんが、現代社会に生きるビジネスパーソンへの共感を込めてつづる健康エッセイ。読んでほっこり癒されて!

「おい、今日は入れ食いじゃないか。何か秘訣でもあるのかよ」
「今日はな、弁当が良いんだよ」
「弁当が? 一体ナニ持ってきたんだい」
「納豆巻き。やっぱり釣りには納豆が一番だね」
「どうして」
「だって、糸の引きが良くなる」
納豆が釣りに良いかどうかは眉唾ものですが、納豆が身体に良いことは昔から知られています。しかし最近では「うつ予防」にも効果があるといわれてるんですね。ストレスの多い世の中、「気が付いたらうつ」なんて方が増えています。「今日はなんとなく会社に行きたくないなあ、あれ、俺ひょっとして、うつかしら」なんて思う朝はありませんか。そんな日の朝ご飯はぜひ、納豆を試してみてください。
うつは、セロトニンという物質が足りなくなると起きやすくなるといわれています。このセロトニン、トリプトファンというアミノ酸を材料にして作られます。ですから、トリプトファンが不足するとうつのリスクは高まるわけですよ。ところが、納豆にはトリプトファンがとても豊富なんですね。納豆を食べて、トリプトファンを増やして、セロトニンを沢山作って、うつを予防しようという、もう壮大な計画って、それほどでもないけどさ。
うつは、今まで興味のあったものに興味がなくなる、新鮮さを感じなくなる、などという症状から始まることもあります。何を見ても新鮮に感じない、これはもしかしたらうつの始まりなのかもしれませんね。なんです、「最近、女房の顔を見ても新鮮さを感じない、俺はうつかも」、結婚して何年になるんですか、え、「30年連れ添ってる」…それ正常です。30年連れ添った女房の顔を見て、「新鮮だあ~~」って思ったら、認知症を疑った方がいいですね。
パソコン見ながらうつ予防
以前からIT業界の人にはうつが多いといわれてきました。パソコンを長時間見続けているわけですから、それに付随して様々な原因が考えられますが、最近面白い調査結果が発表されました。
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