テレビ界きっての多趣味人で、博識の石原良純さん。50代で人生により磨きをかける日々の中で感じている、カラダのこと、天気のこと、そしてニッポンのこと。何事も前向きに生きれば、日々是好転! 突然、“歯の激痛”に襲われた石原さん。お酒・食事が楽しめなくなった石原さんに更なる悲劇が…。年末年始のテレビ番組の収録が重なる超多忙な季節を、乗り切ることができたのでしょうか。
歯の治療で、シャンパンも森伊蔵もあきらめた

歯が痛い、歯が痛い、歯が痛いよ。
突然、歯が痛み始めた。二週間前にメンテナンスに行ったばかりなのに。その時、確かに右の奥歯が揺れていた。いつ痛み出してもおかしくないとは言われていたけれど、この忙しい年末に歯が痛まなくてもいいではないか。
幼年期、少年期、青年期、歯医者知らずの僕だった。まさか、それが仇になるなんて。虫歯はなくても、歯肉が弱ってしまっていた。経年劣化。“三十過ぎたら歯医者へGO”と聞いていたが、あとの祭りだった。
仕事終わりに歯医者へ駆け込む。検診の予約はなかなか取れなくても緊急事態となれば、いち早く診てくれる椿先生に、まずは感謝。
レントゲンを見ると、歯肉が後退してバイ菌が入って、歯肉が炎症を起こしている。ここまで悪くなったら神経を抜くほかない。麻酔を射っての治療とはいえ、ボワワンと痺れた唇の裏側で、奥歯がやんわりと痛みを発していた。
無事に治療を終え、余裕で乗り込んだ大阪行きの最終便。ファーストクラスならば機内食のお供はシャンパンと決まっているが、未だ痺れた唇でグラスを傾ける気はしない。
だいいち、口の右側の半分が満足に動かないのだから、食べるのだって面倒くさい。食べ物を前歯で小さく刻んだら、ベロで左奥歯へ送り込む。大きく口を開いて噛めば、右の奥歯が痛むから、ギリギリ、ギリギリと臼歯を使って擦り潰すほかない。後は多少大きくても、唾と一緒にゴックンと飲み込むしかない。そんな食事は、ちっとも美味しくない。
シャンパンも森伊蔵もあきらめて、今宵のディナーはペリエをお供にした。調子が悪い時には、たとえお酒が飲み放題でも無理して飲まない。55歳にしてようやく僕も賢くなった。
悲しかったのは、翌朝のウェスティンホテル大阪の朝食バイキング。朝メシは思いっきり食べてやろうと思っていたのに、噛み合わせると奥歯が痛い。麻酔が醒めたらスッキリと痛みは取れているとばかり思っていた。お腹は空いているけれど、やっぱり美味しくない。いつもの半分の量でバイキングを断念した。
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- 腰の痛みは、歯の痛みからきていた?