なにしろ、月山富田城は難攻不落の山城。近年、観光整備が進んだとはいえ山頂の本丸に辿り着くには小1時間のハイキングが必要だ。積雪に吹雪、遭難騒ぎにもなりかねない。
ホテルの部屋に入ると、サッシの向こうから日本海の潮騒が聞こえてくる。松林のすぐ向こうは砂浜。消波ブロックを越えた波が、白く泡立ちながら次々と砂浜を打ち続けていた。

翌朝、小雪が吹き荒ぶなか、砂浜に散歩にでかける。島根半島が風除けの役目を果たすおかげで、比較的おとなしいといわれる米子の海岸でも、雪は真横に降る。

シベリアから吹き寄せる季節風に頬を凍らせながら、白い波頭が牙をむく日本海と対峙する。
どうだ、これが日本の冬だ。日本海の冬だ。
カニアレルギーの僕は、カニを食べなくても、大満足。
俳優・気象予報士
