テレビ界きっての多趣味人で、博識の石原良純さん。50代で人生により磨きをかける日々の中で感じている、カラダのこと、天気のこと、そしてニッポンのこと。何事も前向きに生きれば、日々是好転! テレビの世界でも、徐々に地方でのロケが始まり、軽井沢では紅葉や秋の景色に息をのみました。さらに、ブドウを育て、ワインを造る夢について語っています。
今朝の軽井沢は、マイナス1度まで冷え込んだ。ホテルの部屋のカーテンを開けると、窓は結露で真っ白にかすんでいた。掌(てのひら)で窓をなでると水しぶきを上げたガラスの向こうに、初秋の高原の景色が広がった。

目の前の池を縁どる落葉樹は色とりどりに色づき見ごろを迎えている。モミジやナナカマドの赤。カシやシイの木の黄色。そして杉や松といった常緑樹の緑がほど良いコントラストとなってより一層、落葉樹の色彩をひき立たせる。
台風が上陸しなかった今年の秋は例年以上に紅葉を楽しめると聞いてはいたが、なるほどこの秋の景色に息をのんだ。
池の向こうのゴルフコースの芝はまだ枯れずに緑色を保っている。それでも真っ青な秋晴れの空の下にそびえる軽井沢のシンボル、浅間山の頂はうっすらと雪化粧している。昨夜の雨が、この秋2度目の冠雪をもたらした。高原の景色は、いままさに秋から冬へと一気に駆け出そうとしているようだ。

初秋の軽井沢を訪れたのは『ぴったんこカン・カン』(TBS)のロケでのこと。ちまたが「GoToキャンペーン」でにぎやかになったことに呼応して、テレビの世界もようやく地方ロケに出かける雰囲気になってきた。
4月の外出自粛以来、ほとんどロケに出ることがなかった僕も10月半ばを過ぎ、こうしてロケで観光地を訪ねられるようになった。
コロナ以前、僕はテレビでどこの景勝地や各所旧跡を見てもうらやましく思うことはなかった。自分自身が忙しく日本中をあっち、こっちと飛び回っていたのだから。