都会から移り住み、ブドウやワインを造る人たち
レギュラー番組の移動だけでも、月曜日の大阪行きで火曜日帰り。水曜日に福岡に行って木曜日帰り。隔週で名古屋を往復していた。ここにイレギュラーのロケやら、週末には講演会に呼ばれることもある。気がつけば10日以上も連続で羽田空港をウロウロしているなんてことも珍しくなかった。
週に一度は『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)のロケで都内近郊にも出かけていた。江戸の名所や旧街道を巡る散歩企画や都内に数百ともいわれる様々な博物館を訪ねる博物館探訪。普段、何気なく通り過ぎていた街角に歴史の痕跡を発見したり、思わぬアミューズメントパークを発見したり、仕事にかこつけたロケが僕の好奇心を満たしてくれていた。
東京を離れてドーナツ状に広がる移住エリアを訪ねる移住調査企画も楽しかった。海に憧れて千葉や伊豆へ移住する人。山に憧れて山梨や長野へ移住する人。ある人は第2の人生の為に、またある人は子育ての為に。趣味に生きようとする人もいれば、生活の糧となる新たな挑戦の為に移住する人もいる。
僕が惹かれたのはブドウ作りに挑んだ人。長野県の上田市あたり、千曲川の流れを遠くに見下ろす丘陵地が今、新たな日本のワインベルトとして注目されている。そこには都会から移り住みブドウ作りやワイン作りに挑戦する人が多くいる。果物好き、ワイン好きの僕にとって大好物に囲まれた暮らしはうらやましい限りだ。
というわけで、僕もブドウ作りに挑戦することにした。もちろん長野に移り住むワケではない、とりあえず1本、家の裏の畑スペースに植えてみる。毎年、ミニトマトやキュウリを植えても日当たりが悪く収穫は上がらなかった。せっかく育ったかと思ったら連作障害で突然、枯れてしまったりもする。だから、来春はブドウを植えることにした。
ウチの近くにも小さな果樹園が住宅地の中にまぎれて存在する。そんな農家のおじさんにブドウ作りを尋ねたら、ブドウは春に植えるのだそうだ。僕のブドウ計画は来春3月に始動することにした。
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- 夢は果樹園にワイン醸造所、そしてシャトー