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石原良純の「日々是好転!ときどきカラダ予報」

食欲の秋もダメ、スポーツの秋もダメ…ならば芸術の秋

第63回 芸術は遠きにありて思うもの

 石原良純

テレビ界きっての多趣味人で、博識の石原良純さん。50代で人生により磨きをかける日々の中で感じている、カラダのこと、天気のこと、そしてニッポンのこと。何事も前向きに生きれば、日々是好転! 歯茎が腫れて、食事も飲酒もスポーツも断念した石原さん。今年の秋は「芸術の秋」と決めて、高校時代の同級生の展覧会に出かけます。そこで彫刻と絵画を堪能しますが…。

東京八重洲の田中八重洲画廊で10月末「前田哲明・伊藤一 二人展」が開催されました。

 歯が腫れた。いやいや、歯茎が腫れた。

 朝、起きると前の晩から腫れぼったかった右頬が、それは見事にピンポン球大に腫れあがっていた。以前から、右の奥歯はグラグラと揺れていた。歯医者に行かなきゃ、行かなきゃと思っているうちに月曜の朝を迎えてしまった。

 8時からは『羽鳥慎一モーニングショー』の生放送。少しでもお見苦しい顔を皆様にお見せしないように、少し右を向いてうつむき加減でカメラに向かうしかない。放送終了後、一目散に歯医者さんに駆け込んだ。

 歯が痛くなると、食べ物がおいしくなくなる。もちろん、飲酒は御法度(ごはっと)だ。ようやく涼しくなりはじめ、これから食欲の秋だというのに、なんという体たらく。

 そして絶好のランニングシーズンの到来でもある。乾いた空気を切って走れば夏バテしてしまった僕の足にもスピード感が蘇(よみがえ)るはずだ。でも、炎症を起こしている体で走れば血行が良くなって歯茎がズキズキと痛みだすに違いない。

 ゴルフだって、飛行機の中でさんざんレッスンビデオを眺めたおかげで調子が上がってきたのに、コースはおろか練習場にだって行けやしない。スポーツの秋からも、置いてけぼりをくってしまった。

 
上の写真が前田哲明さんの彫刻、下の写真が伊藤一さんの絵画。

 台風が大きな爪痕を残して通り過ぎ、そこに追い打ちをかけるような季節はずれの大雨も見舞った。晩夏から初秋へ、そんな季節の移ろいが感じられない気候に日本もなってしまったようだ。それでも、空の高い所にうっすら箒(ほうき)で描いたような巻雲や、西から東へ足早に駆ける鰯(いわし)の群れのような巻積雲を見ると、ようやく秋がやって来たのも間違いないようだ。

 食欲の秋もダメ、スポーツの秋もダメならば今年の秋をいかように楽しんでやろうか。そんな僕は、芸術の秋と決めた。

 10月22日から28日、東京八重洲の田中八重洲画廊で彫刻家・前田哲明君と画家・伊藤一君の“二人展”が開催された。

 二人は僕の高校の同級生。そして、この個展のプロデューサーを務めた田中祐司君も同級生だ。

 高校三年間の中でも、なぜかこの3人とクラスを共にした3年I組だけは今も交流が続いている。担任の長崎先生が亡くなられたあとも、毎年欠かさず年に一度のクラス会が開かれ、有志によるゴルフコンペもしょっちゅう行われている。そもそも今回の個展は、クラス会の二次会で出た話なのだそうだ。

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