テレビ界きっての多趣味人で、博識の石原良純さん。50代で人生により磨きをかける日々の中で感じている、カラダのこと、天気のこと、そしてニッポンのこと。何事も前向きに生きれば、日々是好転! 秋の交通安全運動で、高輪警察署の一日署長を拝命した石原さん。有名コスプレーヤーに聞いた「コスプレの極意」を自ら実践! 警察署長に成り切ります。
ピーポくんは、警視庁のシンボルマスコット。

大きな耳は、都民の声を広く聞くため。ピンと立ったアンテナは、社会の動きを素早くキャッチするため。大きな目は、街の隅々まで見守るためなのだそうだ。
昭和62年4月17日生まれだというから、五代純刑事が勤務した西部署にも、マイコン刑事が勤務した七曲署にもまだ存在していなかった。
警察庁のマスコットではなく、あくまで東京の警視庁のマスコット。東京以外の方にはあまりなじみはないかもしれない。それでも、青島刑事が活躍した湾岸署あたりから全国的に知られるようになったようだ。
先日、我が家のピーポくんより少し大きなもうひとりのピーポくんがやって来た。秋の交通安全運動に協力して、高輪警察署の一日署長を拝命したお礼の品だ。これからは二人仲良く肩を組み、我が家を守ってくれることだろう。
一日所長は、まず制服に着替えて署長室で署長から任命書を授与されることから始まる。署長の階級は、警視。制服を飾る星もモールも重厚になり、制服に袖を通せば身が引きしまる思いがする。

任命式が終わったら、品川駅前のマクセル アクアパーク品川で交通安全のイベントに参加した。水族館のイルカと一緒に、観客の皆さんにクイズを通して交通安全を訴える。クイズに正解すれば、イルカが飛び跳ね水飛沫(みずしぶき)がドバーンと上がる。いかにも秋の三連休にふさわしいイベントだ。
一日署長を拝命したのは、今回で何度目のことになるだろうか。今までにも、かなりの数のピーポくんを頂いてきた。確か、前回は愛宕警察署の一日署長だったと思う。
当時、東京に三人しかいないという女性署長と共に、白いオープンカーに乗り、管轄の新橋駅のSL広場へ出動した。平日のお昼時、道住くサラリーマンやOLの皆さんに手を振られるのは、ちょっと気恥ずかしいけれど特殊詐欺撲滅のために笑顔で手を振り返した。
やりにくかったのは、逗子警察署の一日署長だ。神奈川県逗子市は、僕の生まれ育った街。駅前広場でイベントをすると、おもちゃ屋のおじさんやらケーキ屋のおばさんやら、なじみの顔がチラホラ見える。小さな踏み台の上に登った制服姿の僕に、警視殿の威厳はあっただろうか。
僕の前年にはネプチューンのホリケンさんが一日署長を務めていた。隣町、横須賀生まれの彼が、逗子市内の逗葉高校に通っていたというだけで僕に先んじて一日署長を務めるとは。逗子市親善大使も務める僕としては、ホリ健さんに負けるわけにはいかないのだ。どちらが、より署長風格があるか逗子市民の目に焼き付けねばならなかった。