テレビ界きっての多趣味人で、博識の石原良純さん。50代で人生により磨きをかける日々の中で感じている、カラダのこと、天気のこと、そしてニッポンのこと。何事も前向きに生きれば、日々是好転! 今年の夏は例年になく暑い日が続いています。暑過ぎる夏は困りものですが、そんな中でも「何か楽しみを見つけないと、せっかくの夏がもったいない!」と考えるのが石原さん。そんな石原さんが猛暑の中で実践したこととは?
有史以来、最も暑い夏を乗り越えるには
7月23日、埼玉県熊谷市の最高気温は41.1度。5年ぶりに日本の最高気温の記録が更新された。東京都内でも、青梅市で40.8度と初めて40度の大台を越え、都心部でも39.0度まで気温が上昇した。この酷暑に気象庁は緊急記者会見を開き、「命の危険がある暑さ、一つの災害と認識している」と異例のコメントを発表している。

暑い、暑い、暑い。
「暑い」といくら叫んだところで、涼しくなるわけでもないが、思わず口に出さずにはいられない。
夏は暑いもの。ならば、夏の暑さを楽しまなければ。浴衣を着て、黒糖焼酎を飲みながら、ウクレレを奏でる。それが僕流の夏の楽しみ方……なんてもはや、言っている場合ではない。有史以来、最も暑い夏を乗り越えるには、過去の常識にとらわれず臨機応変に対処しなければ、それこそ死んでしまう。
そんな当たり前のことに、僕もやっと気がついたのは、7月18日水曜日のことだった。
この日は夕方からの番組収録。日中はたっぷり自由時間がある。朝食を食べ終わると、まずは多摩川河川敷のゴルフ練習場へ向かった。
2時間、打ち放題、3300円は平日だけの特典だが、練習場に人影はまばらだ。ボールを打つ音が聞こえない。フィールドでボールを回収する軽トラックの音だけが、だだっ広い河川敷に響いていた。
打席に立ってみると、雲一つない空に輝く太陽の眩しいこと。朝とは思えぬ勢いで、光は頭を抑えつけ、紫外線が肌に突き刺さる。夏草を揺らす風は微塵もない。クラブを二、三度振り廻しただけで、汗が皮膚に滲んでくる。確かに、ゴルフ練習をするには、全くもって向かない日だ。それでも、すでに受付を済ませてしまった僕は、二時間クラブを振り続けた。
家に帰って、シャワーを浴びて、昼飯を食べたら次のエクササイズ。家から約9キロのTBSまで走って行こうと思ったら、頭の奥で警報が鳴った。熱中症で頭が痛くなったわけではない。頭の奥でジンワリジンワリ、信号が発せられる。視界が揺れるわけではない。ただ揺れてしまいそうな予感がする。こりゃ、ヤバイ。走ったら、倒れてしまうカモ。
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- 三日間禁酒した後の目覚めは格別だった