テレビ界きっての多趣味人で、博識の石原良純さん。50代で人生により磨きをかける日々の中で感じている、カラダのこと、天気のこと、そしてニッポンのこと。何事も前向きに生きれば、日々是好転! 関東も先週梅雨が明け、いよいよ夏本番です。「暑い暑い」と文句を言わずに、暑さを楽しむのが石原良純流の夏の過ごし方。早速、九州で海辺のバーベキューを堪能しました。
3カ月も夏が続くのは御免こうむりたい

緑の田んぼ。青い空。湧き立つ真っ白な入道雲。これぞ正しく日本の夏の原風景。
それは真っ赤な嘘。試しに夏空を見上げてみよう。湿気を多分に含んだ空は、青というよりは水色、むしろ灰色に近い。雲はおろかギラつく真夏の太陽の輪郭さえ覚束ない。
一歩街へ踏み出せば、途端に汗が吹き出る。熱源は、頭を抑えつけ照りつけるお日様だけではない。ブロック塀にコンクリートのビルの外壁。足元からはアスファルト道路の輻射熱。上下、前後、左右すべてから身体は熱に晒される。
頬に当たるそよ風。これも嘘。都会の真夏の空気はピクリとも動かない。漂ってくるのはクーラーの室外機の排気に決まっている。
「早く梅雨が明ければいいのに」そんなことを宣う輩を、僕は虱潰し(しらみつぶし)に注意してきた。梅雨が早く明けて何が幸せなものか。ジメジメするのは梅雨も夏も同じこと。雨雲が空から消えてなくなれば太陽が輝き、ぐんぐんと気温が上がる。異常気象、気候変動、地球温暖化が懸念される最近、酷暑の夏が8月で終わる確率は低い。
僕に言わせれば、9月は夏。一歩間違えば、10月だって半袖半ズボンで暮らす夏となりかねない。
もちろん僕は夏が嫌いな訳ではない。ただ、3カ月も夏が続くのは御免こうむりたいということだ。
でも、7月19日、関東では平年より2日早く梅雨が明けてしまった。というか、梅雨明け発表以前から連日真夏日のオンパレード。感覚的には、ずいぶんと前から夏は始まっていた。
夏がやって来てしまったのだから仕方ない。こうなれば、僕が提唱してきたように、「暑い暑い」と文句を言わずに、暑さを楽しまねば。浴衣、ウクレレ、黒糖焼酎は、僕の真夏の三種の神器。もちろん、焼酎のロックグラスには、桃や葡萄を浮かべ、デザートと食後酒を同時に楽しむのも例年通り。去年は稼働しなかったビニールプールも今年は復活した。そして何よりも幸せだったのは、夏の初めに海辺でバーベキューをする機会を得たことだ。
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