テレビ界きっての多趣味人で、博識の石原良純さん。50代で人生により磨きをかける日々の中で感じている、カラダのこと、天気のこと、そしてニッポンのこと。何事も前向きに生きれば、日々是好転! 6月26日の『函館マラソン』に参加した石原さん。序盤は順調な展開でしたが、津軽海峡から吹き寄せる海風に苦しめられます。身も心もボロボロになりながらも、何とか完走。ところが、その1週間後、ある不幸が石原さんを襲います。
レース序盤は順調な展開だったが…

6月26日、雨あがりの函館、千代台公園陸上競技場。石原良純選手、『函館マラソン』42.195kmを完走しゴ~~~ル!
とはいえ、ゴールシーンの写真に写る僕は、なんと険しい表情。なんと惨めな風体。三カ月前、自己ベストタイムを叩き出し、ドヤ顔で足取りも軽くゴールゲートを潜った『鹿児島マラソン』の時とは雲泥の差だ。実際、身も心もボロボロのゴールだった。
レースを振り返ってみる。『青函圏周遊博アンバサダー』を務める僕は、ゲストランナーとして競技場のフィールドに集うマラソン参加者に手を振りながらスタートラインに立った。号砲一発。先頭集団のエリートランナーが雪崩を打ってスタートして行くが、優勝争いのランナーのお邪魔になっては申し訳ない。僕はコースの脇に身を引いて、選手の流れが一段落するのを待つ。僕より少しだけ早そうな市民ランナーが目の前を通りはじめたら、僕も流れに加わってスタートゲートを潜った。先頭から遅れること約一分半、ピッピッとランナーの靴に付いた電子チップをゲートの計測機器が読み取る音を聞き、僕の函館マラソンは始まった。
スタート時の天候はくもり。気温は15.5℃。南西の風3m。梅雨時にもかかわらず30℃超えが続出していた炎天下の東京とは大違い。マラソンには絶好の気象条件。ただ、空模様がちょっと気になる。スタート前に確認した携帯のレーダー画像は、いつ雨が落ちてきてもおかしくない状況。念のためビニール合羽をウェストポーチに引っかけて持参することにした。
アマチュアは、屋外スポーツとなればとにかく雨が気になるものだ。楽しみにしていたゴルフでも、朝から雨がシトシト降っていれば気持ちが萎える。ところが本当の敵は風にある。全英オープンの松山英樹選手と同様に、函館マラソンの良純選手も、風に苦しめられることになる。
それでもレース序盤は、「五稜郭はどっちかな」「この電車道の四つ角が街の中心かな」と物見遊山気分であっちキョロキョロ、こっちキョロキョロ。市民マラソンならではの和やかな雰囲気。タイムも最初の5kmを27分台。10kmで55分ちょっと。3度目の4時間切りを目指すサブ4ランナーの僕にとって予定どおりのレース運び。
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